2012 Fiscal Year Research-status Report
アストロサイト系譜細胞の代謝異常によって生じる神経病態メカニズムの解析
Project/Area Number |
23500438
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Research Institution | Institute for Developmental Research, Aichi Human Service Center |
Principal Investigator |
榎戸 靖 愛知県心身障害者コロニー発達障害研究所, 病理学部, 室長 (90263326)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田村 拓也 東京医科歯科大学, 難治疾患研究所, 助教 (80396647)
河内 全 愛知県心身障害者コロニー発達障害研究所, 病理学部, 研究員 (70322485)
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Keywords | エピゲノム制御 / 神経幹細胞 / グリア細胞 / ホモシステイン |
Research Abstract |
研究実施計画に従い、「エピジェネティックな脳神経細胞の分化制御に関わるホモシステイン代謝の役割」について検討を行った。まず始めに、正常ならびにCBSノックアウトマウス脳由来の神経幹細胞を培養し、培地中に基質となるメチオニンを異なる濃度加え、ニューロン、アストロサイト、オリゴデンドロサイト、それぞれの細胞に分化する様子がどの様に影響されるかを観察した。興味深いことに、CBSノックアウトマウス由来の神経幹細胞は、メチオニン濃度の上昇に伴い、細胞増殖および生存が顕著に阻害される様子が観察された。現在、神経幹細胞を無血清培地、BMP2/LIF、チロキシンでそれぞれニューロン、アストロサイト、オリゴデンドロサイトに分化させ、それらの分化効率を細胞免疫染色、ウェスタンブロッティング等で定量・確認している。また、ホモシステイン代謝異常が細胞内ヒストン蛋白質修飾にどの様な影響を与えるか、それぞれの条件で培養した細胞由来の細胞抽出液を用い、ウェスタンブロッティングによる定量を行った。次に、DNAメチル化による神経分化マーカー遺伝子の発現制御とホモシステイン代謝との関係を調べるため、研究実施計画に記載した分化マーカー遺伝子発現プロモーター領域に特異的な定量プライマーをデザインし、マウス脳組織由来のDNAサンプルを用いた解析を開始した。今後さらに、これらの実験結果を脳組織レベルで確認するため、生後マウス脳組織を抗メチル化/アセチル化ヒストンタンパク質に対する抗体で免疫組織染色し、培養系で得られた結果と比較を行う予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
途中、研究代表者の所属機関が変わったことで、新たな所属機関への実験動物移動、設備・備品の整備等に時間を費やさざるを得ない状況となったため。またそれに伴い、研究グループの再編やその事務手続きのため、実験技術の習得やデータの引き継ぎ等に予想以上の時間を要してしまったため。
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Strategy for Future Research Activity |
研究体制がほぼ整ったため、交付申請書に記載した計画に従い、それらの実施に専念する。今後の研究内容については大きな変更はない。特に最終年度である本年度内に、CBSノックアウトマウスで見られたニューロン非自律的な神経細胞死に関する研究成果を原著論文として発表を行いたい。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
交付申請書に記載した通りの内容で、消耗品、旅費、その他(論文別刷代)に研究費を使用する予定。設備備品を購入する予定は無し。金額についても特に変更する予定は無し。
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Research Products
(4 results)