2013 Fiscal Year Annual Research Report
慢性期脊髄損傷の回復を目指す研究-多能的新規化合物デノソミンの作用機序-
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23500439
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Research Institution | University of Toyama |
Principal Investigator |
東田 千尋 富山大学, 和漢医薬学総合研究所, 准教授 (10272931)
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Keywords | 脊髄損傷 / デノソミン / Vimentin / IGF1受容体 / DARTS法 / Western blotting |
Research Abstract |
【前年度までの取り組み】 前年度までの研究では、脊髄損傷マウスにデノソミンを経口投与すると、運動機能障害が有意に改善され、これらマウスの損傷部で軸索の伸展とアストロサイトの増加が認められることを明らかにした。デノソミンのメカニズムとして、アストロサイトからvimentinの分泌が促進されることをin vitro、in vivoで証明した。Vimentinの細胞外から作用として軸索伸展を促進させるという新しい知見を得た。脊髄損傷直後に損傷部に直接、vimentinを微量注入すると有意に後肢運動機能が高まることも見出した。 【今年度の実績】 Vimentinのシグナル経路を検討する目的で、培養大脳皮質神経細胞にvimentinを処置し10分後にライセートを作製しリン酸化タンパク質を網羅的にアレイ解析した。Vimentin刺激によりリン酸化を受けたタンパク質のうち、IGF1受容体に着目し、以下の結果を得た。1) 大脳皮質神経細胞をvimentin刺激するとIGF1受容体のリン酸化が上昇した。2) 大脳皮質神経細胞に対してIGF1受容体の中和抗体やblocker処置後にvimentin刺激すると軸索伸展が見られなくなった。3) DARTS法とWestern blotting法の組み合わせにより、マウス大脳皮質のライセート中のIGF1受容体とリコンビナントvimentinとが直接結合することを明らかにした。
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