2013 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
23500440
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
堀 修 金沢大学, 医学系, 教授 (60303947)
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Keywords | 神経細胞死 |
Research Abstract |
1.野生型、及びATF6ノックアウトマウスを用いた検討。野生型、及び小胞体ストレス応答(UPR)のマスター転写因子ATF6の欠損マウス(ATF6ノックアウトマウス)を用いてMPTP/プロベネシド慢性投与PDモデルを作製し、ATF6ノックアウトマウスで認められるアストロサイトの活性化低下と神経変性促進、蛋白質凝集体形成の関係についての検討を進めた。その結果、同マウスではMPTP/プロベネシド投与開始後1-2週間という、比較的早期の段階でアストロサイトの活性化抑制が起こり、その後、1-2週間後で神経変性の促進、更にユビキチン陽性の凝集体形成が認められることが明らかになった。つまり、本モデルにおいて、ATF6はアストロサイトを介して細胞非自律的(non-cell autonomous)に神経を保護している可能性を示唆された。 2.培養アストロサイトを用いた検討。上記1の結果を踏まえ、野生型、及びATF6ノックアウトマウスからアストロサイトを単離し、アストロサイト活性化の程度の違いについて分子レベルで検討した。その結果、①ATF6ノックアウトアストロサイトではSTAT3-GFAP経路の活性化が有意に低下していること、②小胞体ストレスを軽減するケミカルシャペロン4-PBAで細胞を処理によりそれら活性化が回復すること、③野生型アストロサイトを小胞体ストレス誘導剤ツニカマイシンなどで処理した場合、STAT3-GFAP経路の活性化は消失する事が明らかになった。以上より、ATF6は小胞体ストレスを制御することでアストロサイトの活性化を促進している可能性が示唆された。 3.ATF6過剰発現用のアデノウイルスベクター。H25までに開発したウイルスベクターを実際に培養アストロサイトで使用し、ATF6過剰発現を確認した。
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