2013 Fiscal Year Annual Research Report
Sema4Dによるオリゴデンドロサイトの分化、髄鞘形成能制御機構の解析
Project/Area Number |
23500448
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
稲垣 忍 大阪大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (90151571)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松山 知弘 兵庫医科大学, 医学部, 教授 (10219529)
古山 逹雄 香川県立保健医療大学, 教養部, 教授 (20238702)
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Keywords | oligodendrocyte / glia / semaphorin / development / myelin / regeneration / repair / brain |
Research Abstract |
オリゴデンドロサイト(OL)前駆細胞(OPC)は成体脳でも増殖性を有し髄鞘形成OLに分化することから脳傷害からの修復に重要な役割を果たすことが期待されている。本研究ではSema4Dが脳発達期の髄鞘形成期のOLに豊富に発現し、オートクラインにより自らの髄鞘形成を抑制性に制御することを平成23年度と24年度に示してきた。平成25年度は 1) 上記のSema4DのOL細胞数制御作用の受容体を同定することを試みた。 1a) Sema4Dの高親和性受容体であるplexinB1に注目しplexinB1欠失マウスの髄鞘形成OLについて解析した。 1b) in vitro 初代OL培養系におけるplexinB1欠失によるSema4D作用が消失するか検討した。 2) 虚血性脳傷害における成体動物の組織再生/修復にSema4Dが関与するか調べるため、成体のSema4D欠失脳卒中モデルマウスを作製し、OL新生、再生/分化、細胞死について調べた。 平成25年度結果 1a) plexinB1を欠失するマウス大脳皮質におけるOL数が生後発達期の髄鞘形成期に増加し、Sema4D欠失マウスの表現型と類似することから、OLの分化成熟やOL数の制御に関わる受容体がplexinB1であることが示唆された。一方1b) 初代培養系での解析はOL培養系の調子が悪く今後さらに検討することになった。 2)虚血性脳傷害における成体動物の組織再生/修復にSema4Dが関与するか調べた。成体のSema4D欠失脳卒中モデルマウスを作製し、OPCの増殖、OLの再生/分化、細胞死について調べた。Sema4D欠失の永久脳梗塞モデルマウスでは野生型モデルマウスに比べ傷害近傍における細胞増殖の亢進とOPC数の増加、髄鞘形成OLの回復促進、OPCならびにOL細胞死の減少がみられた。 以上の結果から 1) Sema4Dが生後発達期の髄鞘形成期におけるOL数の制御に受容体plexinB1を介して関与すること、2) 血管性脳疾患における修復に関与することが示された。
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Research Products
(6 results)