2013 Fiscal Year Annual Research Report
摂食うつ関連G蛋白質共役型受容体の分子解剖による新展開
Project/Area Number |
23500449
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
斎藤 祐見子 広島大学, 総合科学研究科, 教授 (00215568)
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Keywords | 摂食 / Gタンパク質共役型受容体 / シグナル伝達 / うつ不安 / RGS蛋白質 |
Research Abstract |
中枢神経に高発現するメラニン凝集ホルモン受容体MCHR1はG蛋白質結合型受容体に属し、「摂食」「うつ不安」の両方に関与する極めて興味深い分子である。H25年度はMCHR1が共役するG蛋白質選択性の解析を行うとともに、MCHR1に機能的に結合する蛋白質に関する遺伝子改変マウスを作成した。①培養細胞系において、哺乳類MCHR1はGq, Gi/oの両方と共役するが、マツカワとキンギョMCHR1はGqと共役する。そこで両者のアミノ酸配列を比較して30種類の変異体を作成し、機能アッセイを行うことにより、Gq選択傾向を持つ置換体のスクリーニングを行なった。ほとんどの変異体はGタンパク質共役において変化を示さなかったが、細胞内第2、第3ループ領域近傍における6アミノ酸同時置換体(i2_6sub、i3_6sub)はGi/o選択性が減少した。さらに3種類の機能アッセイによる精査を行い、i2_6sub、i3_6subにおいてG蛋白質選択性が変化している確実な結果を得た。②MCHR1と機能的に結合する蛋白質RGS8は培養細胞レベルの実験ではMCHR1機能を大きく抑制する。そこで、中枢特異的に発現する発現コンストラクトを作成し、トランスジェニックマウスを3系統確立した。このマウスには目視による異常行動は認められない。そこで、5種類のうつ不安行動試験を行なう予定である。③Xenopus tropicalisから4種類のMCH受容体のクローニングを行ない、それぞれの情報伝達系を解析した。さらに皮膚を用いた実験により、低濃度では黒色素胞内の色素が凝集し、高濃度では逆に色素が拡散する2相性の反応を明らかにした。
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Research Products
(12 results)