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2012 Fiscal Year Research-status Report

サル前頭葉のシータ波活動

Research Project

Project/Area Number 23500471
Research InstitutionNational Institute for Physiological Sciences

Principal Investigator

逵本 徹  生理学研究所, 脳機能計測・支援センター, 准教授 (00260042)

Keywords大脳皮質 / 注意 / 律動波 / 睡眠
Research Abstract

注意集中に相関してシータ波活動が前頭前野9野と前帯状野32野に出現すると考えられる。しかし、このシータ波が他の大脳皮質領野の活動とどのような相互作用があるのかは未解明である。また、このシータ波がどのような中枢神経機構により生成するのかも分かっていない。この問題を解決する手掛かりを得る目的で、ニホンザルの大脳皮質の表層と深層に約100本の電極を設置して大脳皮質フィールド電位を同時記録する実験を実施している。これまでに、光始動性と自発性の運動課題の実行中と、飼育ケージ内での自由行動中(睡眠中や摂食中や安静覚醒状態を含む)の脳活動の記録を行った。自由行動中の記録のためにはテレメータとビデオ記録システムを自己開発して使用した。記録および解析は現在進行中であるが、運動課題中の前頭前野9野と前帯状野32野の脳活動データについて多変量自己回帰モデルを仮定してパラメータ推定をするとシータ波成分のGranger因果の大きさが両領野間で非対称的であり、情報の流れが方向性をもって行われていることを示唆する結果を得た。昨年の時点ではこの情報流の方向性が変化し得るものなのか不明であったが、今回Granger因果の大きさが運動課題の経過に伴い変化する所見を得た。これは、両領野間で双方向性に情報のやりとりをしていることを示していると解釈可能であるが、より多くの状況で検証する必要がある。また海馬を含む脳の広範囲にまたがるシータ波活動のネットワークの有無について調べるために電極の設置場所を増設した。現在記録データの蓄積を行っている段階であり、今後順次解析を進める予定である。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

3: Progress in research has been slightly delayed.

Reason

当初計画通りに、(1)ニホンザルに電極埋め込み手術を行い、運動課題遂行中の脳活動とケージ内で自由行動中の脳活動を記録することができた。(2)そのデータを解析することにより、脳内情報処理過程の解明への手掛かりとなる方向性をもった情報伝達が存在することを示唆する知見を得た。(3)海馬を含む脳の広範囲にまたがるシータ波活動の有無を調べるための電極設置と記録を開始した。これにより、本申請時に掲げた4つの目的のうち2つを達成し、3つ目は部分的に達成した。但し計画申請時には想定しなかった生理学研究所実験研究棟の改装工事に伴う制約により、記録例数は昨年度と同じ1頭のままで増やせずにいる。そのため達成度はやや遅れている判断したが、今後回復可能と考えている。

Strategy for Future Research Activity

本研究の申請時に掲げた目的のうち、未達成なのは、(1)海馬を含む脳の広範囲にまたがるシータ波活動のネットワークの有無について調べること(一部達成)と、(2)単一細胞記録とシータ波活動の関係を調べること、の2つである。この目的を達成するために、さらに研究を進める。また、シータ波活動の皮質間伝達の方向性が運動課題の進行に伴い変化するという興味深い事実を見いだしたが、新たな発見事実として発表するには例数を増やしたい。そのため、実験例数を追加することにも注力する。

Expenditure Plans for the Next FY Research Funding

実験の例数を増やすことが目下の優先課題であるため、主として以下の実験材料の購入に使用する予定である。
ニホンザル2頭
抗生剤及び消毒薬
電極材料

URL: 

Published: 2014-07-24  

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