2013 Fiscal Year Research-status Report
平滑筋収縮フィラメント・リモデリングによるアクチンミオシン相互作用変調の仕組み
Project/Area Number |
23500475
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Research Institution | Tokyo Metropolitan University |
Principal Investigator |
渡辺 賢 首都大学東京, 人間健康科学研究科, 教授 (60191798)
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Keywords | 平滑筋 / 収縮フィラメント / リモデリング / X線回折 / NMR / 収縮 |
Research Abstract |
本研究の目的は、人為的に収縮フィラメント・リモデリングを制御できる平滑筋スキンド標本を用いて、フィラメント・リモデリング による平滑筋収縮制御のメカニズムを明らかにすることである。平成24 年度は、平成23年度研究で得られた基礎データに基づいて、 本実験を開始した。 1)a. 生理的標本を用いたX 線回折実験:モルモット盲腸紐またはラット肛門尾骨筋の細胞膜を化学的に破壊したスキンド平滑筋標 本を用いて、生理的環境下で弛緩時、収縮時のX 線回折像を撮影し、赤道反射強度と力学応答の関係を経時的に記録した。又、ATP 濃 度、温度等の環境を変化させて、それらが両者にどのような影響を与えるか検討を行った。ATP再生系の阻害、またはミオシン阻害薬によ りミオシンのみならず、細い平滑筋収縮フィラメント配列についても攪乱が起こることを実証した。 2)a. 生理的標本を用いた生理学、生化学的実験:X 線回折実験と同様の条件で、生理学・生化学実験析を行い、それぞれの比較検 討を行った。特に、今年度はATP再生系の有無が平滑筋クロスブリッジ解離に与える影響を力学的・生化学的に測定し、阻害条件下では、収縮フィラメント配列攪乱により、クロスブリッジ解離とラッチブリッジ形成が抑制される証拠を得ることができた。そこで 、ATP再生系阻害がミオシンの生化学機能にどの様に影響するか検討を開始した。そのため、共同実験及び研究打ち合わせのため、テキサス大学・助教授・佐藤 治博士を招請した。2)MRI実験:昨年度に引き続き予備実験を行い、適当な実験条件を決定することが出来た
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
実験項目1)、順調に研究が進み、第55回日本平滑筋学会総会(8月)、国際シンポジウムRegulatory Circuits in Cell Motility(米国、10月)、第91回日本生理学会大会(3月)等において、成果の一部を発表し、レビューを受けることができた。 実験項目2)については、東京慈恵会医科大学現有のNMR装置の故障 により、当初予定を完全には達成できなかった。
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Strategy for Future Research Activity |
1)b. 代謝阻害により、人為的にリモデリングを制御した標本のX線回折実験:今までの実験健成果を踏まえ、筋収縮時のX線回折像撮影の実験を進め、赤道反射強度と力学応答の関係を明らかにする。b. 代謝阻害により、人為的にリモデリングを制御した標本の生理学、生化学的実験: X線回折実験と同様の条件で、生理学・生化学実験を行い、それぞれの比較検討 から、平滑筋収縮フィラメント格子のリモデリングが力学応答にどの様に影響を与えるかを検討する。 2)生理的標本を用いた1H -NMR実験:NMR装置の復旧(5月後半予定)後、スキンド平滑標本を用いて、生理的環境下で弛緩時、収縮時のT2緩和時間を測定し力学応答の関係を経時的に記録する。昨年度の遅れを取り戻すために、本年度は本項目について重点的に研究を行う。 研究の最終成果を、2015年2月開催の米国生物物理学会並びに2015年3月開催の第92回日本生理学会大会で発表するとともに、国際学術誌に成果を投稿する予定である
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
NMR使用装置の故障により年度後半にNMR実験が行えなかったため、実験にかかわる経費に残額が生じた。 本年5月後半にNMR装置の復旧が見込まれることから、NMR実験をより多くの研究時間を割いて行う
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Research Products
(4 results)