2013 Fiscal Year Annual Research Report
脳刺激・脳活動同時測定系による可塑性誘導脳刺激の理解
Project/Area Number |
23500485
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Research Institution | 独立行政法人国立精神・神経医療研究センター |
Principal Investigator |
花川 隆 独立行政法人国立精神・神経医療研究センター, 脳病態統合イメージングセンター先進脳画像研究部, 部長 (30359830)
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Keywords | 非侵襲脳機能計測 / 脳刺激 / 可塑性 |
Research Abstract |
平成25年度には、17名の被験者において、連合性対刺激(PAS)を可塑性誘導脳刺激として用いた実験を行った。PASは、末梢神経電気刺激(PNS)と一次運動野へのTMS刺激を一定の時間差で組み合わせた連合性対刺激を5-20 秒間隔で90-250 回繰り返す。PNSとTMSの時間関係を変更することで皮質興奮性の促進または制効果をもたらす。左一次運動野に対し、安静時運動閾値115%程度の刺激を計200対与える。PNSとTMSの時間間隔としては、PAS25(刺激時間間隔25 ms、皮質興奮性促進)とPAS10(刺激時間間隔10 ms、皮質興奮性抑制)の二条件を用いる。① 単発TMS-EMG-fMRI、② 単純反応時間課題、③ 安静状態運動野ネットワーク解析による評価を行った。fMRI中のEMG同時記録による運動誘発電位の計測では、既報告と合致する結果が得られた。fMRI解析は鋭意継続中である。また、結果の解釈に関わる基礎研究として、運動誘発電位と末梢神経刺激による誘発筋電図を定量化し、動きによる感覚入力がfMRIに与える影響について国際誌に論文を発表することができた(Shitara et al. 2013 Front Hum Neurosci)。すなわち、末梢神経刺激が筋活動を誘発する場合は、運動野にも誘発脳活動が見られるが、TMSによる脳活動はその影響を差し引いても十分大きく、誘発脳活動の70-90%がTMS由来と考えられた。この成果は、PAS前後のTMS-fMRI同時計測結果の解釈に寄与すると考えられる。
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Research Products
(8 results)