2012 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
23500488
|
Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
依馬 正次 筑波大学, 医学医療系, 准教授 (60359578)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高橋 智 筑波大学, 医学医療系, 教授 (50271896)
|
Keywords | 血管新生 / 血管内皮細胞 / 網膜 |
Research Abstract |
1)研究項目1:新規遺伝子群の血管新生における役割 新規Rho関連遺伝子であるRhoJヘテロマウス同士を交配し、ノックアウトマウスを樹立したところ、生存可能であることが分かった。生後5日目の網膜血管新生について評価した所、野生型と比較してノックアウトマウスにおいて血管新生に遅れが認められた。Tip細胞の数には有意差は認められなかった。さらに発生が進むと、動静脈の分岐数が低下していることもPECAM1およびSMAを用いた抗体染色実験から分かった。基底膜と細胞体を染色する実験から、動脈の一部で退縮が認められたため、RhoJが血管構造の安定化に寄与していることが示された。 2) 研究項目2:血管新生可視化マウスの樹立 Flk1プロモーターの制御によりGFPを発現し、Flt1プロモーターの制御によりtdsRedを発現するダブルトランスジェニックマウスを用いて、胎子や新生児Retina、成獣腫瘍血管新生時の組織(あるいは全胚)を用いて、既存血管内皮細胞やTip cellのイメージングを行った結果、Flk1-GFPはTip細胞や微小血管に優位に発現する一方で、Flt1-tdsRedは中・大動脈内皮細胞に優位に発現する傾向があることが分かった。また、各臓器における発現も評価した所、臓器によって、このような傾向にも差が認められることも分かった。臓器ごとの血管新生のイメージング研究に有用であることが示された。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
1)研究項目1 : RhoJノックアウトマウスを樹立し、生存可能であることが分かった。さらに、網膜血管新生の遅れを確認した。以上の事から、この研究項目は順調に進展していると考えられる。 2) 研究項目2: Flk1-GFPはTip細胞や微小血管に優位に発現する一方で、Flt1-tdsRedは中・大動脈内皮細胞に優位に発現する傾向があることを見出した。また、各臓器における発現も評価した所、臓器によって、このような傾向にも差が認められることも分かった。以上の事から、この研究項目は順調に進展していると考えられる。
|
Strategy for Future Research Activity |
1)研究項目1:新規遺伝子群の血管新生における役割 RhoJノックアウトマウスにおいて、網膜血管新生の低下が見られたため、今後、糸状仮足数の計数を行う。また、RhoJノックアウトマウス胚からmRNAを調製し、マイクロアレイ解析により変動している遺伝子群をゲノムレベルで検討する。 2) 研究項目2:血管新生可視化マウスの樹立 Flk1-GFP、Flt1-tdsRed BAC Tgマウス用いて、血管内皮細胞のイメージング系を立ち上げる。
|
Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
研究費:単年度あたり60万円のマウス飼育費を予定している。我々が所属する筑波大学生命科学動物資源センターでは1ラック(49ケージ)あたりのマウスの飼育費が単年度あたり100万円かかる事から、ノックアウトマウスの維持管理に使用する野生型マウスの維持管理に60万円ほどかかると算出している。また、マトリゲルプラグアッセイに用いる低濃度成長因子マトリゲルに15万円、VEGFやbFGFなどの血管新生促進因子に15万円、1次抗体10万円、2次抗体15万円を予定している。また、成果発表のための、論文出版費30万円、生化学会・分子生物学会、実験動物学会出席のために10万円を予定している。
|
Research Products
(2 results)