2012 Fiscal Year Research-status Report
ウイルスベクターとジンクフィンガーヌクレアーゼを用いた高効率相同組み換え法の開発
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23500491
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
山口 智之 東京大学, 医科学研究所, 助教 (80392158)
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Keywords | 相同組み換え / レンチウイルスベクター / CRISPR Cas9 |
Research Abstract |
Zinc Finger Nucelase やTALENなどのnucelaseは細胞のゲノム修復機能を惹起し、相同組み換えの効率を上昇させることができる画期的なツールである。 本研究では、このnucelaseとHIV integraseを融合した分子により相同組み換えドナーを組み込んだレンチウイルスベクターがnuclease標的部位に誘導され積極的に相同組み換えを起こさせるようなベクターシステムの開発を目標としている。 昨年度までにnucleaseとintegraseの融合タンパク質がnucleaseの機能を失っていないことを確認した。 しかしながら、これらの融合タンパク質とレンチウイルスベクターを組み合わせて細胞に感染させたところ標的部位への感染が認められなかった。 これはおそらくnucleaseとintegraseの融合タンパク質の分子量が大きく、Zinc Finger Nucelase またはTALENの活性に必要な左右二つのnucelaseを効率良くウイルス粒子に取り込めなかった、またはタンパク質でのこれらの分子の取り込みはnuclease活性に必要十分でなかったという2点が考えられる。 これらの発見は今後より良いシステム構築の為の有意義な材料になると考える。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
目的部位への遺伝子挿入に向けたシステム開発に向けての課題が明らかになり、今後の方針が決定できたため。
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Strategy for Future Research Activity |
Zinc Finger Nucelase やTALENに代わるnucleaseのシステムCRISPR-Cas9システムが最近報告された、このシステムではZinc Finger Nucelase やTALENと違いRNAが標的部位に結合することで、Zinc Finger Nucelase やTALENのように左右二つのDNA結合タンパクが必要ない。 したがってこのシステムを利用すればウイルス粒子へのタンパクの取り込み量を考慮する必要が無くよりシンプルなシステムが構築できる。 今後はCRISPR-Cas9システムをレンチウイルスベクターに組み込み目的部位への遺伝子挿入を試みる。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
次年度はiPS培養、胚操作などに係る細胞培養試薬に350,000円、細胞培養器具に350,000円、サザンブロット、ゲノム解析に係る遺伝子工学試薬に300,000円、マウス購入経費に150,000円、学会報告の為の旅費に150,000円、論文校閲等の謝金に100,000円、論文投稿料 に100,000円を計上する
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