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2011 Fiscal Year Research-status Report

新規ヒト骨髄微小環境マウスを用いた多発性骨髄腫モデルの確立と病態解析

Research Project

Project/Area Number 23500501
Research InstitutionTokai University

Principal Investigator

中山 ゆかり (六車 ゆかり)  東海大学, 医学部, 特定研究員 (80398750)

Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) 安藤 潔  東海大学, 医学部, 教授 (70176014)
八幡 崇  東海大学, 医学部, 講師 (10398753)
Project Period (FY) 2011-04-28 – 2014-03-31
Keywords多発性骨髄腫 / Notch / 骨髄微小環境
Research Abstract

本研究の目的は、骨髄環境をヒト化した免疫不全マウス(NOGJ)にヒト多発性骨髄腫細胞を移植してモデルマウスを作成すること、および、当該モデルマウスを利用して多発性骨髄腫の病態を生体内で解析することによって新たな治療ターゲットを探索し、新薬開発への礎となる知見を得ることである。本年度の目標は、ヒト多発性骨髄腫モデルマウスを作成することである。患者検体の移植に先立ち、ヒト多発性骨髄腫の代表的な細胞株2種をNOGJおよび対照となる免疫不全マウス(NOG)に移植した。どちらの細胞株もNOGJにおいて謙虚な生着率の増幅を確認した。次に、骨髄腫細胞株を移植したマウスの骨髄の病理標本を作製して観察すると、NOGマウスではヒト骨髄腫細胞の大部分がアポトーシスもしくはネクローシスにより死滅していることが明らかとなった。したがって、NOGマウスで骨髄腫細胞の生着率が低いのは、生着不全ではなく、生着後の生存や増殖が妨げられているものと思われる。一方、NOGJマウスの骨髄は骨髄腫細胞が骨内膜から骨髄中央部まで広範囲に存在していた。以上の結果は、骨髄腫細胞の増殖における骨髄微小環境の重要性を実験的に証明したものである。また、ヒトJagged1を骨芽細胞特異的に発現させることにより骨髄環境をヒト化したNOGJマウスでは、骨吸収がすでに亢進していることや骨髄内の血管が発達していることも明らかとなった。NOGJマウスの骨髄環境はヒト骨髄腫細胞の増殖をサポートする環境が整っているといえる。その原因としては、骨吸収により、細胞増殖や生存をサポートするサイトカインなどが骨から放出されていることや、Jagged1とNotchが結合することにより骨髄腫細胞内でのNotchシグナルが活性化していることなどが考えられる。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

本年度の目標は、ヒト多発性骨髄腫モデルマウスを作成することであり、最終的な目標は、多発性骨髄腫患者の検体を移植して、個別化したモデルを確立することである。しかし、患者検体は貴重であるので、まずは患者骨髄から樹立された代表的な細胞株2種(RPMI8226およびU266)を用いて移植実験を開始した。細胞株を利用する利点は、繰り返し実験することが可能なことである。細胞株を使用し、移植条件などを詳細に検討した結果、性状の異なる2種類のモデルを確立することができた。この結果を基に、患者検体を使用した移植実験を行う。また、確立したモデルマウスの骨髄を解析することで、これまでは仮説でしかなかった多発性骨髄腫細胞の生存および増殖における骨髄微小環境の重要性を、実験的に明らかにすることができた。

Strategy for Future Research Activity

今年度、モデルマウスの作成に適した移植条件を確立したので、次年度以降は、患者検体を移植しモデルマウスを作成するとともに、骨髄腫細胞と骨髄微小環境の相互作用をさらに詳細に解析し、多発性骨髄腫の病態における骨髄微小環境の具体的な役割を明らかにする。また、骨髄腫細胞の増殖や薬剤感受性におけるNotchシグナルの役割をin vivo、in vitroの実験によって解析し、多発性骨髄腫の病態を明らかにするとともに、新規治療ターゲットの開発をめざす。今年度の研究予定は終了したが、物品の購入にあたり購入予定価格よりも値引きが生じた為に1890円の当該研究費が発生した。

Expenditure Plans for the Next FY Research Funding

今年度の研究は終了したけれども、当該研究費(1890円)が生じたので、その額は次年度の研究費として使用する予定である。次年度研究費の具体的な内訳は、組織染色や細胞培養に用いる消耗品や実験動物購入費および飼育費(学内動物実験センターでの管理)などである。また、国内学会などで成果発表する際の旅費としての使用も計画している。

  • Research Products

    (3 results)

All 2011 Other

All Journal Article (2 results) (of which Peer Reviewed: 2 results) Presentation (1 results)

  • [Journal Article] Accumulation of oxidative DNA damage restricts the self-renewal capacity of human hematopoietic stem cells.2011

    • Author(s)
      Yahata T, Takanashi T, Muguruma Y, Ibrahim AA, Matsuzawa H, Uno T, Sheng Y, Onizuka M, Ito M, Kato S, Ando K
    • Journal Title

      Blood

      Volume: 118 Pages: 2941-2950

    • DOI

      10.1182/blood-2011-01-330050

    • Peer Reviewed
  • [Journal Article] Establishment of a xenograft model of human myelodysplastic syndromes.2011

    • Author(s)
      Muguruma Y, Matsushita H, Yahata T, Yumino S, Tanaka Y, Miyachi H, Ogawa Y, Kawada H, Ito M, Ando K.
    • Journal Title

      Haematologica

      Volume: 96 Pages: 543-551

    • DOI

      10.3324/haematol.2010.027557

    • Peer Reviewed
  • [Presentation] CD34+/CD38+cells from human cord blood initiate APL by induction of PML-RARA

    • Author(s)
      Hiromichi Matsushita, Takashi Yahata, Yoshihiko Nakamura, Yin Sheng, Yukari Muguruma, Hideyuki MAtsuzawa, Tomoko Uno, Tomomi Takanashi, Kiyoshi Ando
    • Organizer
      日本血液学会
    • Place of Presentation
      名古屋国際会議場
    • Year and Date
      平成23年10月15日

URL: 

Published: 2013-07-10  

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