2013 Fiscal Year Annual Research Report
新規シスチン蓄積症モデルラットの樹立とHPLC法による高感度診断法の開発
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23500508
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Research Institution | 独立行政法人国立国際医療研究センター |
Principal Investigator |
岡村 匡史 独立行政法人国立国際医療研究センター, その他部局等, 室長 (00333790)
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Keywords | シスチノーシス / シスチン蓄積症 / リソソーム蓄積症 / モデルラット / HPLC |
Research Abstract |
本研究では、希少疾患であるシスチン蓄積症の新たなモデルラットを開発し、簡便で迅速な高感度診断法を開発することを目的とする。最終年度は、昨年度に樹立した新規シスチン蓄積症モデルラット用いて、各組織のシスチン量を定量した。その結果、モデルラットの腎臓、脾臓および精巣において、コントロールと比較して、それぞれ約4倍、約150倍および約300倍のシスチン蓄積が確認された。さらに、シスチン蓄積症の唯一の治療薬であるシステアミンを、モデルラット由来胎児線維芽細胞に添加したところ、顕著にシスチン量が低下した。 インスリン分泌不全型糖尿病モデルラットであるLEAラットの原因遺伝子を解析する課程で、LEAラットではヒトシスチン蓄積症の原因遺伝子であるシスチノシン(Ctns)に欠損があることを見いだし、Ctns変異をF344系統に導入したコンジェニック系統を樹立した。さらに、汎用性の高い高速液体クロマトグラフィー(HPLC)を用いたシスチン分析の条件検討を行い、HPLCによる高感度分析法を開発した。このモデルラットでは、各組織に顕著にシスチンが蓄積し、シスチン蓄積症に特徴的な腎尿細管上皮細胞の変性・脱落を伴う腎尿細管症が観察された。また、in vitroでの評価系を確立するため、モデルラットの胎児線維芽細胞にシステアミンを添加した結果、顕著にシスチン量が低下した。以上、本研究により、新たなシスチン蓄積症モデルラットおよびHPLCによる高感度分析法が開発され、in vitroおよびin vivoで新たな治療薬の探索が可能となった。
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[Journal Article] Serotonin regulates glucose-stimulated insulin secretion from pancreatic ß cells during pregnancy.2013
Author(s)
Ohara-Imaizumi, M., Kim, H., Yoshida, M., Fujiwara, T., Aoyagi, K., Toyofuku, Y., Nakamichi, Y., Nishiwaki, C., Okamura, T., Uchida, T., Fujitani, Y., Akagawa, K., Kakei, M., Watada, H., German, M.S., and Nagamatsu, S.
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Journal Title
Proc. Natl. Acad. Sci. USA
Volume: 110
Pages: 19420-19425
DOI
Peer Reviewed
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[Journal Article] Quantitative assessment of pdx1 promoter activity in vivo using a secreted luciferase reporter system.2013
Author(s)
Nishimura, W., Eto, K., Miki, A., Goto, M., Kawaguchi, M., Nammo, T., Udagawa, H., Hiramoto, M., Shimizu, Y., Okamura, T., Fujiwara, T., Yasuda, Y. and Yasuda, K.
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Journal Title
Endocrinology
Volume: 154
Pages: 4388-4395
DOI
Peer Reviewed
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