2013 Fiscal Year Annual Research Report
人体デジタルモデルを用いた救急医療迅速化のための傷害予測手法の開発
| Project/Area Number |
23500513
|
|---|
| Research Institution | Nippon Bunri University |
|---|
Principal Investigator |
宇治橋 貞幸 日本文理大学, 工学部, 特任教授 (80016675)
|
|---|
| Keywords | 交通事故 / 自動車乗員 / 傷害予測 / 衝突事故 / 人体デジタルモデル / 有限要素法 |
|---|
| Research Abstract |
本年度は、他車が自車の前面から側面まで角度範囲に衝突する交通事故に絞り、乗員の傷害を予測する手法とその信頼度を向上させる方法について研究を行った。その結果、衝突角度が前面から側面に移行するにつれて車室の変形が大きくなって乗員との干渉が大きくなり、傷害予測の精度を向上させるためには、車体変形を予測する必要があるという考えに至った。特に、軽自動車など小型の車両では、この変形を無視した傷害予測は現実的ではないと言える。そこで、利用可能な車体の有限要素モデルを用いて様々な衝突事故シミュレーションを行い、乗員傷害データベースに加えて車両加速度データと車体変形データに関するデータベースを構築することにより、乗員傷害と車両変形を瞬時に予測可能とする方法について検討を行った。加速度データから得られるΔＶの車両の前後および左右方向の二次元成分と衝突角度との間には相関のあることが分かり、車両の変形は加速度波形と強い相関のあることが分かった。すなわち、衝突時の加速度データから車両の事故時速度差を求める事により衝突方向と車両の変形方向がすることが出来た。更に、加速度波形から車両の変形位置と変形程度を予測する方法が可能となった。これらにより、ΔＶから得られる車両変形に関する情報を盛り込むことにより、より信頼性の高い傷害予測手法が構築できることが分かった。予測された結果の検証は、交通事故総合分析センターにより収集された事故データ、千葉県において収集された交通事故データ、共同研究企業において行われた事故再現実験および自動車アセスメントにおいて行われた衝突実験データなどを用いて行った。
|
