2011 Fiscal Year Research-status Report
次世代型細胞診断をめざした画像相関分析によるオルガネラ動態スペクトロスコピー
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23500523
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Research Institution | Maebashi Institute of Technology |
Principal Investigator |
野村 保友 前橋工科大学, 工学部, 教授 (80237883)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2016-03-31
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Keywords | ミトコンドリア / 遺伝子 / ダイナミクス / 蛍光 / 相関分析 |
Research Abstract |
ミトコンドリアとミトコンドリアDNAは細胞内では絶えず動き回っている。いくつかのミトコンドリアタンパクがミトコンドリアDNAとともにミトコンドリア内膜に結合していることが示された。しかしながら、ミトコンドリアヌクレオイドを形成するこれらのタンパク質は、ミトコンドリアDNAの複製に関係している。また、ミトコンドリアDNAがミトコンドリア内膜に拘束され続けるかどうかは不明である。これらのタンパクが細胞周期中に必要な場合にヌクレオイドは恐らく形成されると思われる。ミトコンドリアDNA配列に依存してヌクレオイドが形成されるならば、配列の変異はミトコンドリアDNAへのヌクレオイドたんぱくの結合に影響するはずである。これは、様々な症状を伴うミトコンドリア病の診断に役立つ可能性がある。本研究では、ミトコンドリアDNAの動的特性を2つの方法で解析した。まず動画像中の粒子の動きを画像解析により粒子の重心の軌跡を解析した。この方法は直感的に分かりやすいが多数の粒子の抽出には不向きであった。画像相関分光法は動画像の全てのピクセル値を相関分析してモデル式にフィッティングするため、実際の粒子の動態を正しく解析できているのは分かりにくかったが、粒子軌跡追跡法から得られた拡散係数とよく一致した。粒子を選択することなく解析できることは恣意的な診断に陥ることがないという意味で優れた解析法であると結論づけた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
今年度は新実験棟の竣工が震災の影響でかなり遅れたため、新たな実験データを得ることはできなかった。しかしすでに取得していたデータについて、画像相関分析で得られた拡散係数が正しいのか直感的にわかりにくかったので、画像処理を施して粒子軌跡追跡法で解析し比較検討した。粒子の軌跡を直接解析するので直感的にわかりやすいものであった。同じ画像データについて以前行った画像相関分析とよく一致した。
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Strategy for Future Research Activity |
新実験棟が竣工し、実験設備の調整もほぼ終わったことから、新たに生細胞のミトコンドリアDNAの動画像を取得できる予定である。ミトコンドリアの機能を抑制してミトコンドリアDNAのダイナミクスに及ぼす影響を詳細に検討したい。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
新実験棟竣工に伴い、実験の消耗品を予定通り購入し使用する。
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