2014 Fiscal Year Research-status Report
次世代型細胞診断をめざした画像相関分析によるオルガネラ動態スペクトロスコピー
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23500523
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Research Institution | Maebashi Institute of Technology |
Principal Investigator |
野村 保友 前橋工科大学, 工学部, 教授 (80237883)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2016-03-31
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Keywords | ミトコンドリア / ミトコンドリアDNA / 蛍光相関分光法 / 画像相関分光法 / 粒子軌跡追跡法 / ロテノン / ミトコンドリア病 / 低酸素誘導因子 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究ではミトコンドリアの動的挙動からミトコンドリア病の診断を目指したものであり、ミトコンドリアの挙動については一定の成果が得られつつある。研究計画にしたがって、その挙動に影響を与える因子の一つとしてミトコンドリアでのエネルギー生成に重要な細胞内酸素濃度について検討した。細胞内酸素濃度のマーカータンパクとして低酸素誘導因子に着目した。このタンパクは低酸素になると細胞質から核へ移行し、必要な遺伝子の転写を調節する。好気条件下ではタンパク合成後ただちに分解され転写因子としては機能しない。蛍光タンパクで遺伝子工学的にラベルした低酸素誘導因子の活性化をコバルトイオンCo2+を添加し分解抑制により模擬した。その動的特性を蛍光相関分光解析した。Co2+処理した細胞質から計測された蛍光強度揺らぎの時系列データを用いて自己相関解析を行い、2成分モデルの解析式にフィッティングした。実験データは2成分フィッティングした結果とよく合っており、仮定した単純拡散のモデルに矛盾しなかった。核からの蛍光強度揺らぎも2成分モデルでうまくフィッティングできた。Co2+処理により細胞質では遅い成分の割合に有意差(p<0.05)が得られた。Co2+処理によって、低酸素誘導因子の分解が抑制されたことを示唆した。 核では有意差(p>0.05)は得られなかった。これは、Co2+処理した生細胞の蛍光のばらつきが大きく、低酸素誘導因子の増加が見られなかった可能性が考えられる。蛍光タンパクの濃度をそろえるために抽出タンパクに対して同様の計測を行った。Co2+処理した細胞の細胞質・核から抽出タンパク溶液では全長の低酸素誘導因子の割合が増加した。Co2+処理していない細胞の細胞質・核から抽出した溶液より分解は抑制されたと考えられる。27年度はこれまでのデータを整理して論文発表することに力を注ぎたい。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
交付申請書の内容をほぼ行えた
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Strategy for Future Research Activity |
27年度はこれまでのデータを整理して論文発表することに力を注ぎたい。
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