2015 Fiscal Year Annual Research Report
次世代型細胞診断をめざした画像相関分析によるオルガネラ動態スペクトロスコピー
Project/Area Number |
23500523
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Research Institution | Maebashi Institute of Technology |
Principal Investigator |
野村 保友 前橋工科大学, 工学部, 教授 (80237883)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2016-03-31
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Keywords | ミトコンドリア / ミトコンドリアDNA / 心筋初代培養細胞 / i PS心筋細胞 / 骨格筋細胞 / 量子ドット |
Outline of Annual Research Achievements |
静止した接着細胞内のミトコンドリアおよびミトコンドリアDNAの挙動の概要はほぼ解析できたので、本年度は運動する細胞の中にある細胞内小器官の解析へと進めた。動きを伴う細胞の代表例として心筋細胞および骨格筋細胞を選んだ。それぞれの動きは活動電位の発生に伴うものなので、まずは電気的な活動を光学的に評価することを試みた。(1)近赤外領域で発光する新規量子ドットの細胞膜電位に依存した分光特性をラット初代心筋細胞およびヒトiPS心筋細胞で検討した。自発的な拍動に伴う蛍光シグナルを検出した。心筋細胞は活動電位を発生させて収縮する。したがってこの蛍光シグナルが本当に電気的な活動を反映しているのかあるいは蛍光を発する細胞が拍動することによるモーションアーチファクトなのか区別する必要があった。薬理学的に拍動せずに活動電位を発生させる実験系を組んだ。この場合、活動電位を発生させるために電気刺激装置が必要になったので作成した。電気刺激装置の効果は刺激頻度に依存した拍動周波数から確認された。この電気刺激装置を用いて、拍動しないように薬理学的に処理して従来型の色素で染色した心筋細胞において蛍光シグナルが観察された。これは電気的な活動を計測できたことを示している。骨格筋細胞として株化細胞C2C12では電気刺激により収縮計測できる実験系を組む段階まで達した。これらの細胞内のミトコンドリアなど細胞内小器官のダイナミクスの定量的な解析を進めていきたい。
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