2014 Fiscal Year Research-status Report
多次元生体信号処理による若年者の情動安定性に関連した脳・自律神経機能の定量評価
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23500527
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Research Institution | University of Hyogo |
Principal Investigator |
水野 由子(松本由子) 兵庫県立大学, 応用情報科学研究科, 教授 (80331693)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
西村 治彦 兵庫県立大学, 応用情報科学研究科, 教授 (40218201)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2016-03-31
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Keywords | 脳波 / 脈波 / 脳機能 / 自律神経 / 非定常解析 / 非線形解析 / 情動 / fMRI |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、「多次元生体信号処理による若年者の情動安定性に関連した脳・自律神経機能の定量評価」を行うことを目的とする。具体的には、情動安定性に関連した生体反応について、脳機能評価として脳波とfMRI、自律神経機能評価として心電図と脈波を用いることで、次の4点を調べる。第1に、「情動ストレス負荷による脳機能の時間的活動変化」を調べる。第2に、「情動ストレス時の脳機能の空間的反応領域」を調べる。第3に、「情動ストレス状態における末梢神経機能の変化」を調べる。第4に、これらの「情動に関連した中枢から末梢までの生体反応の多次元的相互影響性を統合的に抽出」する。 平成26年度には、情動ストレス状態における自律神経機能の時間的解析による特徴抽出を行った。測定した心電図および脈波データに対して、非線形解析および波形解析を行った。波形解析を用いて、脈波振幅値および脈波長を評価することにより、自律神経の末梢および中枢における交感神経および副交感神経のバランスの経時的変化を調べることが可能となった。その結果、情動ストレスにより、末梢と中枢では、自律神経の反応が異なることを確認した。安静時には、末梢の副交感神経が優位となり、不快時には、末梢の交感神経が優位となった。しかし、中枢では、不快時にも副交感神経優位となる場合があることを確認した。さらに、これらの自律神経のバランスは情動安定性によってことなることを確認した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の計画通り、解析手法の開発、ソフトウェアの動作確認、実験デザインに基づいた生理データの収集、データの解析、結果の評価を遂行している。
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Strategy for Future Research Activity |
次年度においては、情動安定度に関連した脳皮質-脳深部領域-末梢神経機能間の相互影響性評価を行う。
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Causes of Carryover |
当初、計画していた平成26年度の学会での成果発表および論文発表を、平成27年度に行うことにしたため、次年度使用額が生じた。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
今年度、現段階での研究成果を、第45回日本臨床神経生理学会学術大会および学術雑誌にて発表する予定である。学会での発表および情報収集のための旅費、雑誌への投稿費用などが主となる予定である。
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