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2011 Fiscal Year Research-status Report

操作を伴う3次元映像における生体への悪影響の定量的解析に関する研究

Research Project

Project/Area Number 23500528
Research InstitutionSaitama Medical University

Principal Investigator

小林 直樹  埼玉医科大学, 保健医療学部, 教授 (40523634)

Project Period (FY) 2011-04-28 – 2014-03-31
Keywords生体情報・計測 / 3次元映像 / インタラクティブ映像
Research Abstract

本研究はゲーム等の操作を伴う場合における3次元映像特有の生体影響について、視聴者の動作や操作に着目し、映像酔いや眼精疲労等の悪影響との関連を生体信号を用いて客観評価するとともに、悪影響を低減して安全性を高める技術を明らかにすることを目指している。本研究では映像の動き(GMV)に加えて3次元の動きを加えた拡張GMVおよび操作者想定との不一致度を加えた実効GMV用いた評価法を提案する。今年度は、拡張GMV、実効GMVのモデル構築および予備実験により検討を進めた。(1)~(4)実効GMV導出モデル、生体影響モデルの提案および予備実験: 拡張GMVは3D視差から算出可能であるが、実効GMVは、視聴者の動きや視線などによる影響するかをモデル化する必要があり、その影響を定量化するための予備実験を行った。予備実験では、左右の画像のひずみにより不一致となる3Dステレオ視の動画像を視聴させ、動画に伴う視線の動きとそれに伴う生体影響の関係ついて評価実験を行った。実効GMVに対応する生体信号としては、視線検出と同時に心電図および呼吸の測定を行い、生体影響を心電図のRR変動成分と呼吸などの多変量を用いた生体影響評価を行った。予備実験の結果、変形の大きな画面においては、生体影響が増加する一方、大きな変形で立体視不能となる場合には生体影響が減る傾向が得られた。また、PANの動きに対応して、画面ひずみの大きい右方向に視線が移動する際には、生体影響が増加する傾向を得ることができた。この結果をもとに立体視可能な範囲では、視線影響を組込んだ実効GMVの導出モデル有効と考えられることを明らかとし、その基盤モデルを構築した。本年度は、実効GMVモデルとして重要な重心移動測定のための検証系を整備するとともに、総合的な3D影響に関する本格的検証実験の準備を行った。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

今年度は、今年度は、(1)拡張GMV、実効GMVのモデル構築、(2)生体影響に関する多変量モデルの構築、それに伴う(3)予備実験の準備および実験解析を行うことを目標としていた。(1)における拡張GMVについては、3D関連の委員会出席などにより、視差から算出可能なアルゴリズムについて一定の目処が得ら、一般のGMVに3D要素を組み込むモデルに関しては比較的容易に行うことができた。一方、実効GMVのモデル化は、単に机上構築することは困難である事から、予備実験を行うなかでモデルに必要な要素を明らかとした。特に視線に関して、予備実験を行うことで一定の評価軸は得ることができ、モデルへの反映が行うことができた。加えて、他の要素として重心移動や操作者の動きの影響はまだ得られていないことから、今後の本実験の準備を行う中でその影響を明らかにしてゆくこととした。(2)の生体影響の多変量モデルに関しては、インタラクティブ映像の生体影響の実験によって、心電図のRR間隔変動および呼吸を用いた多変量解析によるモデルを構築し、その検証実験を行い、各主成分の特性を明らかにする事ができるとともに、そんな有効性を示す事ができた。(3)(4)これらのモデルを検証するための予備実験も計画通りに行い、3Dステレオ視における視線の影響明らかにするとともに、実効GMVのモデルを構築する上での重要な知見を得る事ができた。これらの予備検証を踏まえて、来年度の本格検証に向けた実験設備、検証ソフトウェアに関する準備を現在行っていることから、当初の予定通りに研究は進んでいると考えている。

Strategy for Future Research Activity

今年度は、予定通りに拡張GMVおよび実効GMVのモデル構築に必要な用件については、ほぼ明らかにする事ができ、生体信号における多変量モデルの妥当性の検証も行うことができた。これらの検討結果にもとづいた予備実験も行い、今後の課題についても明らかにする事ができた。予備検証において浮かび上がった主な課題としては以下の二点が挙げられる。一つは、実効GMVのモデルにおいて現在考慮しているのは視線だけであったが、やはり操作に伴う操作者の動きも、映像の動きに関する想定を検出する上で重要な要素である。このため重心動揺を検知する事で実効GMVの推定制度の向上が見込める事があげられる。また、評価する生体信号の多変量解析においては、現在利用しているRR間隔変動と呼吸に加えて、脈派のピーク値を加える事による循環系のより精度高い測定も必要になると考えられる。上記の課題を踏まえて、今後は、本実験に向けた準備を進める中で、重心動揺や動作の検出機構および脈派の検出を加えた生体信号解析を行えるように準備するとともに、事前検証を行う。この事前検証を踏まえたうえで、3D画像における操作時の生体影響を明らかとする本実験を行うこととする。本実験では、50人規模の被験者実験を行い、上記モデルについての確立を目指すとともに、生体影響の定量的指標の確立および低減手法の提案につなげられる成果につなげることとする。

Expenditure Plans for the Next FY Research Funding

今後の推進方策に基づき、次年度においては、第一に3Dのゲームなどの操作時における重心動揺および動作の検出による実効GMVの事前検証を行う。次年度使用となっている研究費は、当初より実効GMVを算出するために使用予定であったものであるが、今年度の検証において、最も重要である視線検出に伴う生体影響の予備検証を優先したため、重心移動や操作者の動きなどにともなう検証実験に必要な研究費に関しては、次年度以降に使用することとなった。このため、次年度使用額となっている研究費を用いて、重心動揺および動作の検出装置などの実験器具を第一に整備して、事前検証を行うこととする。今年度得られた、拡張GMVおよび実行GMVのモデルに、上記予備検証による修正を加えた上で3D操作における生体影響モデルを確立し、操作を伴う3D画像における生体影響の定量的測定を行う本格的検証実験に次年度は研究費を使用する。具体的には。50人規模の被験者の生体信号取得に必要な消耗品や被験者への謝金、信号解析に必要な解析装置やデータ蓄積装置の購入などに研究費を使用する予定である。また、今年度および次年度の成果発表(国内)および連携研究者とのミーティングなどの旅費にも本研究費を使用する予定である。

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Published: 2013-07-10  

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