2013 Fiscal Year Annual Research Report
カルシウムイオンナノレベルイメージングによる血小板内活性化機能に関する研究
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23500530
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Research Institution | Tokai University |
Principal Investigator |
田村 典子 東海大学, 医学部, 助教 (90439703)
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Keywords | イメージング / 血小板 / カルシウムイオン |
Research Abstract |
ヒト血流条件下血管壁損傷モデルとして、固相したフォンビルブランド因子 (VWF)に接着した血小板内のカルシウムイオン濃度[Ca2+]iの局所的な変化について高速共焦点レーザー顕微鏡によるリアルタイムイメージングを行った。VWF刺激に起因する血小板内[Ca2+]iの詳細な局在をイメージングすることにより、血小板活性化の初期シグナル伝達にかかわる因子の作用を明らかにした。血小板内[Ca2+]iの検出には細胞内カルシウムイオン指示薬Fluo3AMを用いた。VWFに接着した2-4μmの血小板[Ca2+]iの変化を60フレーム/秒でイメージングした。縦横30x30 pixelの単一血小板イメージを、縦横4 x 4(但し四隅の分画は含まない12分画)に再分画し、各分画の[Ca2+]iを定量した。血小板活性化と[Ca2+]iの局在特異性を明らかにするため、血流条件下で血小板がVWF接着直後の [Ca2+]i上昇とVWF接着後活性化が進行した状態の[Ca2+]i上昇を比較した。前者では細胞12分画中細胞内中心部の3分画で最も高く(最大[Ca2+]i分画:410.7±140.6 nM)、後者では、細胞周縁部に[Ca2+]iの高い分画が多く(最大[Ca2+]i分画: 225.3±69.7nM)、[Ca2+]iの局在に活性化特異性があることが示唆された。また、血小板活性化に関わるADP受容体P2Y12阻害時には、細胞周縁部で [Ca2+]iが高く(最大[Ca2+]i分画:224.3±132.2nM)、トロンビン受容体PAR-1阻害時では、細胞中心部に[Ca2+]iの高い分画を認めた(最大[Ca2+]i分画:342.7±185.3nM)。これにより、細胞内総[Ca2+]iとして評価されていた[Ca2+]iの変化を、細胞内局所の[Ca2+]iの濃度、および局在として評価することが可能になった
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Research Products
(2 results)