2012 Fiscal Year Research-status Report
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23500540
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
永井 亜希子 東京医科歯科大学, 生体材料工学研究所, 准教授 (40360599)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山下 仁大 東京医科歯科大学, 生体材料工学研究所, 教授 (70174670)
中村 美穂 東京医科歯科大学, 生体材料工学研究所, 准教授 (40401385)
堀内 尚紘 東京医科歯科大学, 生体材料工学研究所, 助教 (90598195)
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Keywords | ステント材料 / 表面改変 / 静電気力 / 血管内皮細胞 |
Research Abstract |
平成24年度は、ステント用金属材料として、23年度に行ったコバルトクロム合金に加えて、ニッケルチタン合金も研究対象に加えた。さらに、酸化皮膜の作製法も23年度に行った陽極酸化法だけでなく新しい表面改変法を模索し、その評価を行った。 新しい表面加工方法はフェムト秒レーザーを用いて行った(大阪大学との共同研究)。フェムト秒レーザーは、パルス幅がフェムト秒のレーザーで、非熱下で微細加工ができる特徴がある。この方法で、金属基板表面にマイクロ、ナノレベルの微細構造をそれぞれ作製・調整することができた。そして、構造作製と同時に、フェムト秒レーザー特異的なアブレーションという現象により生じる、酸化皮膜を得ることができることが分かった。細胞実験により微細構造について評価したところ、ナノ構造が細胞の再配置に効果があることが明らかとなった。また、この酸化皮膜は、血小板粘着は抑制することが分かり、そのメカニズムについて研究を進めている。 なお、陽極酸化法を用いた表面改変については、平成24年11月に開催された日本バイオマテリアル学会で報告した(現在論文投稿準備中)。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
24年度は、ステント表面改変のバリエーションを増やすことができた。 物性評価では、走査型ケルビンプローブフォース顕微鏡を用いた材料表面の、表面電位の測定に成功し、自然酸化膜と、今回作成した酸化皮膜との電位差を測定することができた。 生体評価では、微細構造の細胞接着への影響を確認することができた。細胞実験において、23年度に行ったブタ由来培養内皮細胞に加え、より正常細胞に近い性質を持つ初代培養に挑戦したが、正常に近いゆえに均等に増やすことが難しく、材料との適合性についての研究に進まなかった。よって細胞を用いたビトロの実験については、再考が必要と考えられた。
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Strategy for Future Research Activity |
動物実験を想定した材料作製と表面改変法の改善をすすめていく。金属材料の構造的および化学組成的に制御した酸化皮膜の作製についてはある程度知見を得たため、次は動物実験が必要となる。これまで、細胞実験用の材料に表面改変を行っていたが、実際に埋入する金属基板の形態は当然重要となる。細胞実験には評価をするときの顕微鏡観察や、タンパク抽出のための平板な材料が必要であったが、埋入用の基板は複雑な形状が求められる。そのための金属加工と、それらの複雑な性状を持つ金属基板への表面改変法の開発を行っていく。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
1.金属基板材料費、加工費 2.細胞培養液、増殖因子など、細胞培養用試薬 3.免疫染色用抗体など、分子生物学的検討用試薬
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Research Products
(18 results)