2012 Fiscal Year Research-status Report
メカニカルなプローブ走査による超音波ボリュームスキャナの開発
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23500553
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Research Institution | Gifu University |
Principal Investigator |
福岡 大輔 岐阜大学, 教育学部, 准教授 (60321436)
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Keywords | 医療福祉 / 診断システム / 超音波検査 / コンピュータ支援診断システム |
Research Abstract |
医療用の超音波診断装置における撮影および診断の客観性の向上を図るため,広範囲な領域が撮影できる機械的プローブ走査機構を備えた「超音波ボリュームスキャナ」の開発と,それにより撮影されるボリュームデータの解析ソフトウェアの開発が望まれている.本年度の研究成果は,ボリュームスキャナ開発のための基礎的研究と,解析ソフトウェアの開発の2つが挙げられる. (1)ボリュームスキャナ開発のための基礎的研究 ハンドヘルドプローブを機械的に走査するための円筒状のボリュームスキャナ(直径200mm×可動範囲350mm)を開発し,駆動機構の動作検証を行った.また,対象物をトラッキングし撮影するため,Mean-Shift法による被写体の追跡アルゴリズムの開発とその検討を行った. (2)ボリュームデータのための解析ソフトウェアの開発 3次元超音波ボリュームデータのための解析ソフトウェアとして,整形領域におけるロコモティブシンドロームのための,腓腹筋の羽状角の定量解析ソフトウェアを開発した.開発したソフトウェアでは,ボリュームデータから筋繊維のみ自動抽出し,3次元フーリエ変換を行いパワースペクトルを算出した.そして,パワースペクトルの特定の成分から,筋繊維の慣性主軸を算出し,腓腹筋の繊維方向を特定し羽状角の算出した.リニアプローブ(2次元画像)の用手法による測定結果との比較においても,0.79の相関を得た. 今後,より広範囲撮影が可能なボリュームスキャナの利用により,より客観的な撮影と診断が可能となることが示された.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初計画のとおり本年度においては,円筒状スキャナの基本設計と各駆動部の製作を行ない,各部駆動機構の動作検証を行ない,対象物のトラッキング撮影を可能とするため追跡アルゴリズムの開発を行った. また,ボリュームデータのための解析ソフトウェアとして,ロコモティブシンドローム定量解析のためのソフトウェアを開発した.同ソフトでは従来の2次元スキャンと比較し,診断結果に相関が得られており,ボリュームデータによる客観的な撮影と解析が可能であることが示唆され,良好な結果を得ている. 本研究課題の当初の実施計画に従い進展しており,研究はおおむね順調に進展している.
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Strategy for Future Research Activity |
当初の研究実施計画に従いボリュームスキャナの開発を継続する.スキャナにおいては,水浸法によるファントム撮影と性能評価を行い,空間分解能の向上を図る計画である.ボリュームデータ再構築時の自動スティッチング処理においては,スキャナの駆動機構との関係から不連続な画像となる場合がある.この対策として駆動機構の見直しを行い,より精度の高い駆動制御への改良を行う.また,ボリュームデータの再構成のための処理において,多くの計算時間を要しているため処理時間の短縮を目指す. これまでに得られている研究成果をまとめ,国内外の学会において成果発表を行なう計画である.
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
学会参加費等のその他の支出が抑えられた. 次年度の使用計画として,研究成果の国内学会への発表のための学会参加費の経費として使用を計画している.
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