2011 Fiscal Year Research-status Report
人工関節置換術および骨切り術の術前計画支援に関する基礎的研究
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23500562
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Research Institution | Iwate Prefectural University |
Principal Investigator |
土井 章男 岩手県立大学, ソフトウェア情報学部, 教授 (60271839)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
馬渡 太郎 九州大学, 大学病院, 助教 (60335974)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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Keywords | 3次元画像処理 / 術前計画支援 / 人工関節置換術 / CT画像 |
Research Abstract |
CT画像は臥位で取得するため、有限要素法(FEM)による応力解析を行って、大腿骨や脛骨の位置を移動させ、立位の状態を表現した。荷重状態で取得したCR画像と比較することで、シミュレーションの精度を高めることが出来た。より正確な仮想立位CT画像が作成出来れば、CR画像を撮像する必要がないため、業務の効率化と精度向上が図れる。また、仮想立位CT画像を用いて、正確な3Dインプラントの配置が可能となる。応力解析には、信頼性の高い商用ソフトウェアであるダッソー社のCATIAを用いた。解析用に使用するメッシュデータは、3次元画像からセグメンテーションを行った材質ごとに等値面データに変換し、データ整形とデータ削減後、解析用4面体メッシュを生成して、応力解析を行った。CT画像ベースの術前計画支援システム構築の研究開発では、ストローク(方向をもった線分)を使った、ボリューム画像を操作する機能を実装し、高位脛骨骨切り術(膝HTO)、大腿骨頭前方回転骨切り術(股ARO)、人工膝関節置換術、人工股関節置換術に使用した。これらの操作は、マウスによる直観的な操作が可能である。さらに、3次元画像に対して、切断による複数3次元画像の処理や、切断された3次元画像の接着が行える機能、高速にボリュームレンダリングする機能、画像処理機能、解析ソフトウェアへのデータ受け渡し機能などを実装した。CR画像およびCT画像データに関しては、岩手医科大学の協力により、健常者8名の立位CR画像(左右、正面および側面)、とCT画像(下肢全長)を取得した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
下肢全長のCT画像から、骨領域を抽出し、皮質骨および海面骨部分を4面体メッシュに変換した。さらに有限要素法を用いて、仮想立位CT画像のベースになる加重された応力状況を再現した。また、人工股関節を挿入した場合のシミュレーションも試みれた。また、シミュレーション結果を評価するために、健常者8名のボランティアに対して、たいへん貴重なデータを測定することが出来た。
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Strategy for Future Research Activity |
THA(Total Hip Arthroplasty)やTKA(Total Knee Arthroplasty)に必要な3次元情報は、CR/CT画像とMR画像により、取得可能である。これらの3次元画像群を、正確に位置合わせ(レジストレーション)して、1) 仮想立位CT画像の作成機能、2) 骨部と3Dインプラントの応力解析機能、3) シミュレーション結果の可視化機能、4) 3Dインプラント配置結果や応力分布のレポート機能、5) 骨切り面の表示・計測機能を実現する。また、臨床の場において、試験的な運用を行い、膝関節のインプラント置換手術におけるシミュレーション機能の有効性を検証する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
研究開発、デモ用のパーソナルコンピュータ、プリンタを購入する。また、研究開発中のCTベースの術線計画支援システムは、プログラム外注による機能アップを図る予定である。平成23年度の研究成果は、国際会議や研究会において、積極的に発表を行う。また、研究開発した術前計画支援システムは、展示会で公開し、医師や参加者の意見を収集する。
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