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2011 Fiscal Year Research-status Report

医学教育訓練に用いる疑似人体組織造形方法の研究

Research Project

Project/Area Number 23500566
Research InstitutionShibaura Institute of Technology

Principal Investigator

足立 吉隆  芝浦工業大学, システム工学部, 教授 (70407229)

Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) 中村 朝夫  芝浦工業大学, 工学部, 教授 (50155818)
Project Period (FY) 2011-04-28 – 2014-03-31
Keywords人体模型 / 紫外線硬化ゲル / シリコーン / 光架橋剤 / インクジェット / ラピッドプロトタイプ / 金型 / 積層構造
Research Abstract

微小な粒子を作成し,それらを0.33mmピッチで立体的に積み上げるには,紫外線硬化ゲルを使用して,表面に縦・横・深さが0.33mmより小さい窪みがあるパレットを作製する必要がある.最初にこのパレットを作製する方法を確立するための研究を行った.このようなパレットを作製するには型(メス型)が必要となる.型の作製方法を確立するためにいくつかの実験を行った.塩化第二鉄と銅版を使用するエッチング手法により型を作製する方法では,目標の形状に窪みを作製することができなかった.マイクロエレクトロニクスの分野で使用されるSU-8を使用した方法では,窪みの深さが0.02mmまでしかできなかった.超硬(タングステンカーバイド)に幅0.07mm,深さ0.26mmの溝を掘り金型を作製したところ,パレットのメス型として使用できることが確認できた.パレットの造形方法が確立できたことで,このパレット上に粒子を作製する実験が行えるようになった. 粒子の硬度調整方法は分子量の違いにより実現することにした.溶媒にメタクリルシリコーンを用い,溶質にはジメチルシリコーンを用いた.これらの混合液に光架橋剤を混合して紫外線硬化ゲルを作製することで,硬度の違いを実現できることが実験により確かめられた.粒子の作製と同様にパレットも硬度を変化させる必要がある.ここでの問題はメス型からパレットを離型できるかどうかである.溶媒と溶質の割合が1:2で目標とする窪みを持つパレットを造形することができたが,これ以上ゲルが柔らかくなると離型が困難になることが分かった. 粒子の着色に市販のインクジェットプリンタを用いる実験を行った.様々な条件で実験を行ったが,吐出ノズルの位置精度が悪く,同じ位置にインクを吐出できないことが分かった.市販のインクジェットプリンタを用いるのは困難であることが判明した.

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

微小な粒子を作成し,それらを0.33mmピッチで立体的に積み上げるにはパレットと呼ぶ,表面に縦・横・深さが0.33mmより小さい窪みがあるゲルのシートが必要となる.このパレットの造形方法の確立に多くの時間を費やしたが,ほぼ予定通りのパレットができた.パレットの造形方法が確立できたことが大きな成果であり,この後の実験が行えるようになった. 微小な粒子を作製する実験では,染料を混合したジアミン水溶液を酸クロライド溶液中に滴下することで粒子を作製する方式,シクロヘキサンとホルマリンの二層となった溶液を使用して着色したゼラチン粒子を作製する方式,インクを混合した寒天水溶液をオイル中に滴下する方式など多くの方法を試した.その結果,溶媒にメタクリルシリコーン,溶質にジメチルシリコーンを用いて,これらの混合液に光架橋剤を混合して紫外線硬化ゲルを作製し,これを吐出して粒子を作る方法がもっとも本研究に相応しいことが分かった.ただし,ピペットを利用して粒子を作製する場合,滴下する液体の量が少なくなると,表面張力の影響でピペットから溶液が滴下しないことが分かった.このことから滴下による粒子の作製方法には,作製できる粒子の大きさに限界があることが分かった.これは概ね想定の範囲内である. 市販のインクジェットプリンタを利用して,粒子を着色するためのインクをパレットに吐出する実験を行ったが,ヘッドの位置決め精度,とくに繰り返し精度が悪く,0.33mmピッチの窪みの中にインクを吐出できないことが分かった.したがって市販のインクジェットプリンタは利用できないことが分かった.このことから微量な液体を吐出できるヘッドを搭載した微小粒子造形装置を次年度以降に開発する.これも想定通りの結果である.

Strategy for Future Research Activity

微量の紫外線硬化ゲルをパレット内に滴下するには,重力で落下させる方式ではなく,紫外線硬化ゲルに圧力を加えて,ノズルから勢いよく紫外線硬化ゲルを射出する必要がある.この方法にはプランジャーポンプを利用する方法,ピエゾによるインクジェットを利用する方法,ディスペンサーを利用する方法などが考えられる.どの方法も一長一短があるので,最適な方式を検討する.紫外線硬化ゲルが滴下ヘッド内で硬化してしまうと,滴下ヘッドを交換する必要が出てくる.滴下ヘッドの洗浄方法も含めて検討する必要がある.また紫外線硬化ゲルの粘度も射出に影響するので,粘度管理も行う. 紫外線硬化ゲルの硬化後の硬さを制御するには,分子量を制御する方法と照射する紫外線量を制御する方式がある.今年度は分子量を制御する方法に加えて,パレット毎の紫外線照射量を制御する.硬さの制御は紫外線硬化ゲルに混入する色素の影響を受けるので,これを含めて硬さを制御する方式を検討する. パレット内に紫外線硬化ゲルを滴下するには,滴下用ヘッドを正確に位置決め制御する必要がある.滴下用ヘッドの正確な位置決め制御が行える微小粒子造形装置の開発を行う.この装置には紫外線照射ヘッドも搭載し,パレットの各窪みに紫外線を照射する.このためには紫外線照射ヘッドも正確に位置決め制御する必要がある.紫外線照射ヘッドから出た紫外線が,紫外線硬化ゲルの滴下用ヘッドに影響を及ぼして,滴下用ヘッド内で紫外線硬化ゲルが固まらないようにする必要もある.

Expenditure Plans for the Next FY Research Funding

紫外線硬化ゲルの滴下用ヘッドと紫外線照射ヘッドの両方を搭載した微小粒子造形装置の開発がメインとなる.滴下用ヘッドは微量の紫外線硬化ゲルを正確に射出するため,かなり高価なものになると思われる.紫外線照射ヘッドは紫外線光を平行光のままで使用するか,集光するかを検討している.集光する場合には光学系の部品を購入する必要がある.ヘッドの正確な位置決め機構を発注予定だった企業が倒産したため,代わりの企業を探している最中である. この他には紫外線硬化ゲルを作製するための様々な薬品や染料,硬化させた紫外線硬化ゲルの硬さを測定する機器などを購入する予定である.

  • Research Products

    (5 results)

All 2011

All Presentation (5 results)

  • [Presentation] 紫外線硬化ゲルを用いた人体模型の積層造形法に関する研究2011

    • Author(s)
      水野貴義,足立吉隆,中村朝夫,小山博史
    • Organizer
      第11回日本VR医学会学術大会
    • Place of Presentation
      奈良先端科学技術大学院大学
    • Year and Date
      2011年8月27日
  • [Presentation] 疑似人体組織造形法の研究(金型を用いた紫外線硬化ゲルシートの作製法)2011

    • Author(s)
      水野貴義,足立吉隆,中村朝夫,小山博史,長谷川忠大
    • Organizer
      計測自動制御学会SI部門VR工学部会秋季研究会
    • Place of Presentation
      東京医療保険大学
    • Year and Date
      2011年12月17日
  • [Presentation] 疑似人体組織造形法の研究(疑似人体組織の着色方法)2011

    • Author(s)
      桜井素之,足立吉隆
    • Organizer
      計測自動制御学会SI部門VR工学部会秋季研究会
    • Place of Presentation
      東京医療保険大学
    • Year and Date
      2011年12月17日
  • [Presentation] 疑似人体組織造形法の研究(疑似人体組織の造形における紫外光の制御法)2011

    • Author(s)
      高野大輝,足立吉隆
    • Organizer
      計測自動制御学会SI部門VR工学部会秋季研究会
    • Place of Presentation
      東京医療保険大学
    • Year and Date
      2011年12月17日
  • [Presentation] 紫外線硬化ゲルを用いた人体模型造形法に関する研究2011

    • Author(s)
      水野貴義,足立吉隆,中村朝夫,小山博史,長谷川忠大
    • Organizer
      日本バーチャルリアリティ学会力触覚の提示と計算研究会第7回研究会
    • Place of Presentation
      名古屋工業大学
    • Year and Date
      2011年11月26日

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Published: 2013-07-10  

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