2013 Fiscal Year Annual Research Report
超音波照射に起因する生体内温度障害を避けるための精密測定法と数値解析法の開発
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23500568
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Research Institution | Kanagawa University |
Principal Investigator |
遠藤 信行 神奈川大学, 工学部, 教授 (20016801)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
土屋 健伸 神奈川大学, 工学部, 准教授 (50291745)
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Keywords | 高精密温度分布予測 / ファントム内の血流 / シミュレーション法プログラム / 寒天ファントム / GPU |
Research Abstract |
1. 3次元高精密温度分布予測プログラムの改良を行った。 推定温度の精度を高めるため、MPIを使った並列計算による3次元精密温度上昇計算プログラムを開発した。この際、高速な浮動小数点計算を得意とするグラフィック用CPUのGPUを用いることを考え、MPI並列計算とGPU使用による高速温度分布推定プログラムを開発した。この結果、臨床で用いられる2MHz程度の超音波による温度上昇分布を、実用時間内で3次元的に推定できるようになった。また、4MHzまでの超音波周波数では、1cmx1cmx1cm程度の微少範囲の温度推定が可能である。さらに、各種条件における寒天ファントム(90mmx90mmx90mm)を用いた超音波照射による温度上昇実験時の実測値と、シミュレーション結果を比較したところ、両者はよく一致した。 2. 血流を流した時のファントム内温度分布の計測と温度分布シミュレーションを行った。 生体中の血液環流による冷却効果は、生体内温度上昇に大きな影響を与えることが知られている。そこで、実際の超音波診断・治療への応用を考え、血流を流した状態に相当するファントムを開発し、超音波照射時の温度上昇への制御効果を計測した。従来から使用している寒天ファントムに内径約8mmのビニールチューブを設置し、血液に模した純水を最大500ml/分の速さで流し、血液による超音波照射時の温度上昇への制御効果を計測した。さらに、実際の物理的・音響学的パラメーターを測定し、前述の3次元高精密温度分布予測プログラムにより、シミュレーションを行った。実測値は予測値とよく一致した。 これらの結果について、平成26年度の学会で発表予定である。
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Research Products
(6 results)