2012 Fiscal Year Research-status Report
老人性大動脈弁狭窄症における僧帽弁輪・弁尖への石灰化進展による僧帽弁狭窄の合併
Project/Area Number |
23500574
|
Research Institution | University of Occupational and Environmental Health, Japan |
Principal Investigator |
竹内 正明 産業医科大学, 医学部, 准教授 (30236434)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
尾辻 豊 産業医科大学, 医学部, 教授 (30264427)
春木 伸彦 産業医科大学, 医学部, 助教 (70469394)
西村 陽介 産業医科大学, 大学病院, 准教授 (50301338)
|
Keywords | 大動脈弁狭窄症 |
Research Abstract |
本研究の目的は老人性大動脈弁狭窄症(AS)症例において、1)リアルタイム3次元経食道心エコー法により僧帽弁輪石灰化の程度および弁尖開放の減少を評価し、弁輪・弁尖に及ぶ石灰化と僧帽弁弁口面積の関連を検討すること。2)大動脈弁置換術(AVR)術後、治療せずに残された僧帽弁狭窄症(MS)が心血行動態に及ぼす悪影響を運動負荷心エコー法を用いて検討することである。1)に関しては現在までに老人性AS評価のために3次元経食道心エコー検査を施行した90例、および大動脈弁、僧帽弁に器質的病変はないが他の理由で3次元経食道心エコー検査を施行したコントロール群(C群)25例のデータを収集し、解析済みである。また2)に関してはAVR術後10例に運動負荷心エコー、またはドブタミン心エコーを施行しデータの解析中である。 1)に関する現在までの結果ではAS群はC群に比べ有意に内側弁輪面積が小さく、石灰化面積は有意に大きかった。また僧帽弁を通過する血流速度はAS群で有意に高く、その結果僧帽弁を介する平均圧較差はAS群で有意に大であった。僧帽弁弁口面積はAS群で有意に小さく、15%は弁口面積が1.5cm2未満の中等度以上の僧帽弁狭窄を呈していた。僧帽弁弁口面積を説明変数とする多変量解析では、石灰化面積、内側弁輪面積、僧帽弁前尖と弁輪のなす角度が有意な規定因子として選択された。 2)に関しては少数例の検討がすんだのみであるが、負荷によりさらに僧帽弁狭窄症が増悪する結果は今のところでていない。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
1)に関しては順調に症例の集積が進み、100例には到達しないものの90例で解析には十分と思われる。2)に関しは高齢者が多く、運動負荷エコーの施行が困難であり、術後の合併症もあり、ドブタミン負荷心エコーで負荷を代用したとしても今後の症例数は15例程度が限度と考えられる。。
|
Strategy for Future Research Activity |
AVR後の負荷エコー症例数の収集とともに、データ解析を引き続き行う予定である。一部の結果はすでに学会発表済 みである。今後論文作成を開始し、臨床系の医学ジャーナルに投稿したいと考えている。
|
Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
DVD、hard disk、コンピューター等の消耗品、備品の購入に充てるとともに、国内学会、国際学会発表時の旅費に充てる予定である。
|