2011 Fiscal Year Research-status Report
分子機能定量局所拡大撮像SPECT高感度化のための画像再構成アルゴリズムの開発
Project/Area Number |
23500575
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Research Institution | National Cardiovascular Center Research Institute |
Principal Investigator |
銭谷 勉 独立行政法人国立循環器病研究センター, 画像診断医学部, 室長 (50443487)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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Keywords | 医療 / 生体機能 / 放射線 / 画像 / アルゴリズム |
Research Abstract |
従来、SPECT撮像において、ヒトのような大きな被写体の局所領域をピンホールコリメータなどで拡大撮像した場合、データ欠損(トランケーション)が生じるため、正しい画像が得られなかったが、最近、トランケーションを許す画像再構成法が開発され、局所領域の超高解像度画像が得られるようになった。しかしながら、高解像度撮像であるため、単純なシングルピンホールコリメータのような検出器構成では十分な感度がなく、S/Nの良い画像は得られない。さもなければ、長時間の撮像を必要とする。本研究では、局所高解像度SPECT撮像の高感度化を実現する画像再構成アルゴリズムの開発を目的とする。本年度は、高感度化のための次の3つの幾何学に対する画像再構成アルゴリズムを開発した。 (1) 検出器とピンホールが1対1に対応した検出器が複数配列したシステム、(2) 1台の大型検出器に対してマルチピンホールコリメータを搭載した検出器システム、(3) マルチピンホールと複数検出器を組み合わせたシステム、これら幾何学に対する画像再構成プログラムの骨格部分が完成した。また、次年度に実施するモンテカルロシミュレーションは計算量が膨大であるため、分散処理による高速化を図る。そのため、本年度は、複数CPU搭載した既存PCで分散処理体系を構築し、処理の高速化が可能であることを確認した。さらに複数PCをネットワーク上に接続したPCクラスタ環境を構築し、分散処理によって処理の高速化が可能であることを確認した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度の主目的である画像再構成アルゴリズムの開発は、プログラムの骨格がほぼ完成した。また、次年度のシミュレーションのためのPCクラスタ環境の構築は、本年度はまず既存のPCで高速化の可能性を確認した。来年度、実際に高性能のPCを購入した環境構築をすることにした。以上、本研究はおおむね順調に進展している。
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Strategy for Future Research Activity |
使用実績のある既存のツールを活用することによって、研究を推進する。具体的には、ピンホールSPECTのシミュレーションに利用可能なシミュレーションツールGATEを利用した経験を有する。以前の使用経験を活かすことで効率良くシミュレーションが可能である。また、本研究室で開発した3次元脳ファントムは実際の脳に非常に近い構造を持っており、これを積極的にシミュレーションおよび物理実験に利用することで精度良く評価ができると考えている。これらは、今後の研究の推進につながると考えられる。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
本年度は分散処理のためのクラスタ用に最新高性能のPCを購入する予定だったが、まず既存のPCで分散処理による高速化が可能かを確認するにとどめた。その結果、次年度使用額1,182,197円が生じた。次年度は、これと1,100,000円と合わせて2,282,197円が使用可能である。次年度は、本年度購入しなかった最新高性能クラスタ用PC(4×@300,000円)=1,200,000円を購入する。この他に物品費として放射性薬剤100,000円、旅費800,000円、その他180,000円を使用予定である。合計2,280,000円となる。
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[Journal Article] Three-dimensional quantitation of regional cerebral blood flow in mice using a high-resolution pinhole SPECT system and (123)I-iodoamphetamine2011
Author(s)
Zeniya T, Watabe H, Hayashi T, Ose T, Myojin K, Taguchi A, Yamamoto A, Teramoto N, Kanagawa M, Yamamichi Y, Iida H
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Journal Title
Nuclear Medicine and Biology
Volume: 38
Pages: 1157-1164
DOI
Peer Reviewed
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