2013 Fiscal Year Research-status Report
分子機能定量局所拡大撮像SPECT高感度化のための画像再構成アルゴリズムの開発
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23500575
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Research Institution | National Cardiovascular Center Research Institute |
Principal Investigator |
銭谷 勉 独立行政法人国立循環器病研究センター, 研究所, 室長 (50443487)
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Keywords | 医療 / 生体機能 / 放射線 / 画像 / アルゴリズム |
Research Abstract |
従来、SPECT撮像において、ヒトのような大きな被写体の局所領域をピンホールコリメータなどで拡大撮像した場合、データ欠損(トランケーション)が生じるため、正しい画像が得られなかったが、最近、トランケーションを許す画像再構成法が開発され、局所領域 の超高解像度画像が得られるようになった。しかしながら、高解像度撮像であるため、単純なシングルピンホールコリメータのような検出器構成では感度が不十分で、S/Nの良い画像は得られない。さもなければ、長時間の撮像を必要とする。本研究では、局所高解像度SPECT撮像の高感度化を実現する画像再構成アルゴリズムの開発が目的である。 昨年度までに、高感度化のためのマルチピンホールコリメータおよび複数検出器に対応した画像再構成アルゴリズムのプログラムを作成した。また、分散処理によって高速にシミュレーションができるクラスタPC環境を構築した上で、開発した画像再構成アルゴリズムをシミュレーションで評価、マルチピンホールコリメータによって感度を改善できることを示した。 本年度は、視野250mm×150mmの検出器に装着可能で、撮像視野55mmの局所領域を高感度で拡大撮像可能なマルチピンホールコリメータを利用して、物理ファントム実験を行った。得られたSPECTデータを開発したプログラムで画像再構成した結果、感度が改善され、1時間以内での短時間撮像の可能性が示唆された。ただし、ヒト頭部程度の大きさの被写体ではガンマ線の吸収の影響が大きく、定量的な評価としては不十分であった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
物理ファントム実験を行い、開発した画像再構成アルゴリズムを評価した結果、マルチピンホールSPECT撮像で、感度を改善でき、短時間撮像の可能性を示すことができた。しかし、ヒト頭部程度の大きさの被写体ではガンマ線の吸収の影響が大きく、定量的な評価としては不十分であった。最終的には、ガンマ線の吸収の影響を考慮し上での画像再構成アルゴリズムの評価が必要である。
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Strategy for Future Research Activity |
簡易的な吸収補正処理を加えた画像再構成アルゴリズムを開発する。その上で、ヒト頭部程度の大きさ物理ファントムを用いて定量的な評価実験を行う。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
平成24年度までにシミュレーションによって開発した画像再構成アルゴリズムを評価できたが、最終年度(平成25年度)に物理ファントムによる定量評価実験を行った結果、ヒト頭部程度の大きさの被写体ではガンマ線の吸収の影響が大きく、定量的な評価としては不十分であった。そこで、計画を変更し、簡易的な吸収補正処理を加えた画像再構成アルゴリズムを開発し、その後、定量的な評価実験を行うこととしたため、未使用額が生じた。 このため、最終年度に未実施だった物理ファントムや動物を用いた画像再構成アルゴリズムの評価実験、およびその成果の学会発表を次年度に行うこととし、未使用額は実験に用いる放射性薬剤(Tc-99mジェネレータ23,000円/個×10個=230,000円)や実験動物(ラット5,000円/匹×8匹=40,000円)の購入、および学会旅費(約80,000円)に充てることとしたい。
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