2011 Fiscal Year Research-status Report
脳卒中後歩行障害に対する機能回復型ブレイン・マシンインターフェイス開発
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23500576
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
竹内 直行 東北大学, 大学病院, 助教 (10374498)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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Keywords | リハビリテーション / ブレイン・マシンインターフェイス / 神経科学 / 脳卒中 |
Research Abstract |
リハビリテーション医学の発展により、脳卒中後の上肢機能障害に対し反復経頭蓋磁気刺激、強制使用、装具療法、機能的電気刺激、ロボット訓練など上肢機能改善を目的に多くのアプローチの研究が行われている。しかしながら下肢機能障害に対するアプローチはリハビリテーションによる理学療法及び装具療法が中心であり、現在下肢機能障害の改善に対する画期的な治療開発が切望されている。頭皮上から刺激を行い大脳皮質の興奮性を人工的に変化させることによって、うつ病、脳卒中、パーキンソン病ヘの治療応用が最近報告されている。これらの手法はニューロモジュレーションと呼ばれ、主に反復経頭蓋磁気刺激、経頭蓋直流電気刺激が利用されている。 本研究は脳卒中後運動麻痺による下肢機能障害に対し、運動野に大脳皮質興奮性を変化させる反復経頭蓋磁気刺激または経頭蓋直流電気刺激を用い、さらに麻痺側下肢の腓骨神経に機能的電気刺激を同時に行い、脳卒中後歩行障害の改善を目指す。今年度は歩行障害の残存した脳卒中患者に経頭蓋直流電気刺激及び機能的電気刺激併用の研究を実施したが、麻痺の重度な患者、また運動野や大脳皮質に病変を認める患者には効果が少なかった。そのため脳信号を解析し運動及びコミュニケーションの補助を行うブレイン・マシンインターフェイス(BMI)の技術を併用することで、個人間の変動に対する対応及び経頭蓋直流電気刺激の刺激効果を高め下肢機能障害への治療効果を高める基礎実験を検討中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
今年度の研究にてニューロモジュレーションと機能的電気刺激の効果が期待されにくい背景の解明が進んだため。
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Strategy for Future Research Activity |
歩行運動イメージ時の脳波解析を行い機能回復型BMIの基礎実験を行う。 BMIで得られた脳信号に応じて腓骨神経に機能的電気刺激を行い、被験者の運動を誘発することにより脳活動と末梢感覚を統合させる機能回復型BMIを検討する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
上記計画のため脳波解析ソフトの購入を予定している。また次年度使用額は、今年度の研究を効率的に推進したことに伴い発生した未使用額であり、平成24年度請求額とあわせ、次年度に計画している研究の遂行に使用する予定である。
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