2011 Fiscal Year Research-status Report
重度心身障害を伴う大脳性視覚障害児・者を対象とした視覚行動評価尺度の開発
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23500578
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
境 信哉 北海道大学, 大学院保健科学研究院, 准教授 (30299804)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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Keywords | 大脳性視覚障害 / 重症心身障害 / 評価尺度 / 視覚行動 / 視覚発達 / 非運動性 |
Research Abstract |
本研究の目的は、観察および非運動性反応の検査項目からなり、大脳性視覚障害を伴う重度心身障害児・者の視知覚機能の重症度を大まかに把握でき、十分な信頼性と妥当性を有する視覚行動評価尺度を開発することである。 平成23年度の計画は、視覚行動評価尺度の仮項目を完成させ、大脳性視覚障害を伴う重度心身障害児・者に対して予備実験を行うことであった。十分な内容妥当性を有する項目とするため、次の手続きを用いた。まず、大脳性視覚障害に関する専門家を含む専門家会議を開催し、尺度項目について何度も議論を繰り返した。その結果、項目については、乳児の視覚発達研究から得られた結果を元におおよそ3か月レベルまでの視覚機能を検出できるものとした。視覚発達に関する様々な先行研究や書籍を当たり、尺度項目として、瞳孔反応、人形の眼反応、眼瞼反応、注視、追視、縞視力、コントラスト感度、視野、色覚、顔知覚の10項目が選定された。これらの各項目に対して発達研究で示された発達レベルに基づき3~4の水準を設けた。この水準決定に関しては、後のコンジョイント分析を考慮した。観察法・検査法については、可能な限り観察による方法を採用したが、一部(縞視力、コントラスト感度、色覚)については、指定した用紙を用いた検査方法を採用せざるを得なかった。現時点において、本尺度の仮項目および検査方法に関する説明書は完成しており、今後、予備実験を開始する予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
尺度の仮項目を完成させるために、大量の英文論文や英文書籍を読まなくてはならず、思ったよりも時間を要してしまった。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、早急に予備実験を実施し、本年7月にはコンジョイント分析を用いた尺度得点の重みづけを行う。本年9月には、大脳性視覚障害を伴う重度心身障害児・者30~50名に対し、本尺度と従来の検査結果を比較し、信頼性と妥当性を検証する。
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