2011 Fiscal Year Research-status Report
関節可動域の制限によって障害される日常生活動作を予測する技術の開発
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23500579
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Research Institution | Fukushima University |
Principal Investigator |
増田 正 福島大学, 共生システム理工学類, 教授 (00358003)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
森田 定雄 東京医科歯科大学, 医学部附属病院, 准教授 (20202426)
相澤 純也 了徳寺大学, 健康科学部, 講師 (60376811)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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Keywords | 日常生活動作 / ADL / モーションキャプチャー / 動作計測 / 関節 / 可動域 / 理学療法 / リハビリテーション |
Research Abstract |
上肢に関係する日常生活動作16種類を、21名の健康な若年(20-22歳)成人被験者を対象にして、光学式動作計測(モーションキャプチャー)装置で計測した。計測データとして得られたファイルを自作のプログラムにより加工し、国際バイメカニクス学会の推奨する定義に基づいた関節角度の時間変化波形に変換した。得られた関節角度データに対して、例えば「髪の毛を梳かす動作」であれば、肩関節の挙上角を基準にして、これが最大となった時点を検出し、その時点における全身の関節角度値を代表値として抽出した。 21名の被験者の関節角度の代表値を集計して平均、標準偏差、5, 25, 50, 75, 95パーセンタイル値を算出し、対象とした16動作を実行するために必要な関節角度範囲を得た。また、個人毎の代表値と全被験者の平均値に基づいて、関節角度に基づいて構成される姿勢を人体グラフィックソフトウェアで表示し、問題なく計測されていることを確認した。 今回得られた結果を、既に発表した磁気式動作計測装置(Fastrak)を用いて計測した結果(Aizawa et al., 2010)と比較すると、全体的な傾向としては一致していたが、細部においては相違も見られた。この相違は、動作を実施する上での指示の違い、例えば、「髪の毛を梳かす動作」であれば、頭部のどの範囲までカバーするように髪の毛を梳かすのかといった点と、計測方法の違いによるものが考えられるが、それらがどの程度寄与しているのかは現段階では不明であった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
計画では年間50名程度の被験者を計測する予定であったが、まだ半分程度に止まっている。東日本大震災の影響で計測の開始が遅れたためと、モーションキャプチャー計測の習熟に時間を要したためであり、今後、人数を増やして行く予定である。 前回の研究で用いた磁気式動作計測装置との比較に関しては、装置が故障して現在使用不能な状態になっているために中断しており、同時計測ができていない。そのため、同時計測によって異なる計測手法の違いを比較することが未達成となっており、過去のデータとの比較しかできなかった。装置修理の予算手当か代替装置の調達を試みる予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
上肢の動作計測に関して被験者を増やすとともに、下肢に関連した日常生活動作の計測を行う。計測したデータは、代表時点の関節角度を集計するだけでなく、一連の動作全体をデータベース化して、WEBで公開し、興味をもった研究者が元データに遡って解析が行えるようにする。その際、3次元の動作をWEBブラウザ上で確認できるようなソフトウェアも開発する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
研究費の主な使途は、動作計測に関する消耗品で、モーションキャプチャー用のスーツやマーカーセット、データ処理用の計算機関係消耗品、ソフトウェアである。その他には、学会参加及び研究打ち合わせのための旅費を予定している。
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