2012 Fiscal Year Research-status Report
長期的成果からみた聴覚障害幼児の言語聴覚療法に関する研究
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23500582
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
能登谷 晶子 金沢大学, 保健学系, 教授 (30262570)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
原田 浩美 聖隷クリストファー大学, リハビリテーション学部, 教授 (50599545)
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Keywords | 聴覚障害児 / 言語習得 |
Research Abstract |
平成23年度に引き続き平成24年度はWPPSI検査を5名、WISC-IIIを15名に実施した。補聴器装用児は8名、人工内耳装用児は10名、軽度難聴で幼児期に補聴器を装用していたが、学童以降装用をしていないものは2名であった。WPPSIの実施年齢は、3歳10ヵ月~4歳7ヵ月であった。WISC-IIIの実施年齢は、5歳10ヵ月~11歳8ヵ月であった。知的障害を持つ聴覚障害児は除外した。全体の平均は言語性IQ(VIQ)は98.7、動作性IQ(PIQ)は110.4であった。WPPSIを施行した5名のVIQの平均は72.4でPIQの平均は114.4であった。一方、WISC-IIIを施行した15名のVIQの平均は107.5で、PIQの平均は109.1であった。幼児期の言語性IQよりも学童以降のWISC-IIIの方が言語性IQが高い傾向を示した。幼児期でのWPPSIの検査は、聴覚障害児にとって口頭で答える課題は未だ困難な場合が多いために、PIQとVIQの差が大きい傾向にあるが、学童以降になってWISC-III実施の時には、VIQとPIQの差が縮まる傾向を示した。本年度は5名の幼児以外は学童であったので、15名の幼児期のデータを親の記録をまとめる課題が平成25年度に持ち越しとなったが、5名の幼児については、親の記録から、聴覚読話理解は平均1089.4語、自発語は平均845.0語、文字単語理解数は平均1313.2語であった。文の発達については、論文2編を作成して受理されている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
WPPSI検査とWISC-IIIの検査については、当初予定どおりに進み、WPPSI検査を施行できた幼児についても語彙や文についてまとめることができたが、WISC-IIIを施行できた聴覚障害児の幼児期の記録を整理する課題が残った。これは、WPPSIやWISC-IIIの検査は検査施行と結果まとめに予想以上に時間がかかったためである。
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Strategy for Future Research Activity |
平成25年度は前年度に積み残したWISC-III施行できた15例の幼児期の語彙や文を整理して分析する。また、引き続き昨年度の検査実施対象児を中心に、WPPSI,WISC-III、読書力検査を実施する。さらに、データを縦断的にも取りまとめる。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
当初の計画通り国際学会で発表、ならびに学会誌に投稿する予定である。
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Research Products
(13 results)