2012 Fiscal Year Research-status Report
手指感覚情報処理時の自律神経性手指循環制御機構に対する脳皮質活性変調の効果
Project/Area Number |
23500586
|
Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
村田 潤 長崎大学, 医歯(薬)学総合研究科, 准教授 (00304428)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
村田 伸 京都橘大学, 健康科学部, 教授 (00389503)
田平 隆行 西九州大学, リハビリテーション学部, 准教授 (50337432)
|
Keywords | 手指感覚 / 自律神経性循環調節 / 脳血流量 / 皮膚血流量 / 点字課題 / 血圧 / 心拍数 / 高齢者 |
Research Abstract |
昨年度,手指循環動態および脳皮質活動の同時計測システムを開発し,手指感覚情報処理時にみられる手指循環動態と脳皮質活性の変化について健常成人を対象として調査を実施した.本年度は,高齢者を対象として,測定データに対する加齢の影響と手指循環動態および脳皮質活動の関連性について検討した. 方法: 23名の地域在住女性高齢者を対象として実施された.実験は,2つのプロトコールから構成されていた.①被験者は机座姿勢をとり,10分の安静の後,右手示指を使用して1つの点字プレート(幅3mm,高さ1mmの凸を点字模様に従って配列)の解読作業を15秒間行った.もう一つは対照実験として,②点字模様のない平らなプレートを①の場合と同じ動作で触れさせた.この2つの課題施行時にみられる手指皮膚血流量および前頭葉部の脳組織酸素動態より推定する脳皮質活性を同時計測した. 結果と考察:心拍数および血圧は課題遂行時に大きな変化は生じなかった.一方で,手指皮膚血流量は点字解読中に-27.8±17.2%まで減少し,前頭皮質の活動が3.6±1.6%まで増加した.これらの成績は先行研究と同様の傾向であったが,それらの変化量は健常成人に比べて少ない傾向を示した(健常成人の手指皮膚血流は-39.8±17.2%まで減少,脳血流は3.6±1.6%まで増加した).また,高齢者で観察された手指皮膚血流量と前頭皮質脳血流量の変動値には相関関係がみられた(r=-0.42, p < 0.05).これらの研究成績は,高位中枢でおこなわれる点字解読課題への注意が前頭葉部の脳活動に反映することを示唆する.さらに,その影響は末梢部(手指)で起こる皮膚血流応答との関連性を示唆する.
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
高齢者における手指感覚識別時にみられる手指循環動態とその制御に関連する高位中枢の脳活動との関連性について示唆するデータを得ることができた.
|
Strategy for Future Research Activity |
次年度は,手指感覚トレーニングと手指感覚情報処理時にみられる手指循環動態および脳皮質活性変化の関連性を明らかにしたいと考える.
|
Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
次年度は,実験遂行に必要となる計測機器の消耗品,被験者謝金,および研究成果発表のための旅費等を計上する.
|
Research Products
(7 results)
-
-
-
-
-
[Journal Article] Significance of the elderly living in the community being able to stand on one leg with eyes open –A study of physical, cognitive, and psychological functions–2012
Author(s)
Atsuko Kubo, Shin Murata, Hiroshi Otao, Jun Murata, Jun Horie, Junya Miyazaki, Sakiya Yamasaki, Katsuhiko Mizota, Toyoko Asami
-
Journal Title
Journal of Physical Therapy Science
Volume: 24(7)
Pages: 625-628
Peer Reviewed
-
-