2011 Fiscal Year Research-status Report
脳梗塞後の運動療法による神経保護メカニズムに関する研究
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23500590
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Research Institution | Kagoshima University |
Principal Investigator |
榊間 春利 鹿児島大学, 医学部, 准教授 (10325780)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
吉田 義弘 鹿児島大学, 医学部, 教授 (10107906)
松田 史代 鹿児島大学, 医学部, 助教 (70437953)
井尻 幸成 鹿児島大学, 医歯(薬)学総合研究科, 准教授 (00315417)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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Keywords | 脳梗塞 / リハビリテーション / メカニズム |
Research Abstract |
最適なリハビリテーションプログラムや機能回復のメカニズムを明らかにすることはリハビリテーション分野において重要である。そこで当該年度は、運動負荷による機能回復と神経修復のメカニズムについて検討した。 脳梗塞モデルラットを60分間の虚血再潅流により作製し、運動群と非運動群にランダムに分け比較検討した。運動負荷はロータロッド運動機器を使用して脳梗塞作製後3日から開始した。運動負荷は徐々に増加し脳梗塞後14日まで行った。14日後に脳を採取して組織学的、免疫組織学的検討を行った。運動機能評価、神経学的所見の評価を脳梗塞作成後1日、7日、14日後に行った。 その結果、運動群の脳梗塞巣の大きさは非運動群と比較して減少していた。運動群は非運動群と比較して運動機能の改善や神経学的所見の改善が有意に促進された。非運動群と比較して運動群では、BDNFやその受容体であるTrkBの発現が増加していた。また、反応性アストロサイトのマーカーであるGFAPの発現は減少していた。Caspase3やTUNEL染色において、運動群で陽性細胞が有意に減少していた。 運動負荷による機能回復促進や神経修復メカニズムにPI3/AKTのシグナル伝達系が関与しているのか確認するために、PI3/AKTの抑制剤を投与して脳梗塞を作成し、比較検討した。その結果、PI3/AKT抑制剤投与して運動負荷を行った群は機能回復の促進を認めなかった。 これらのことより、脳梗塞後の運動負荷により成長因子の発現促進、アポトーシス抑制を介して機能回復が促進されることが示された。さらに、そのメカニズムにPI3/AKTシグナル伝達系が関与していることが示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
他施設と共同して実施できる環境にあり、現在のところおおむね順調に進展してると思われる。
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Strategy for Future Research Activity |
今後、更に匹数を追加して、他の物質の変化についても検討する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
動物の購入、組織学的、免疫組織学的、分子生物学的検索に使用する試薬、抗体の購入に使用する予定である。
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