2011 Fiscal Year Research-status Report
片麻痺膝屈伸への促進的電気刺激・筋力補助を用いた下肢装具装着型歩行訓練装置の開発
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23500593
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Research Institution | Kagoshima University |
Principal Investigator |
余 永 鹿児島大学, 理工学研究科, 准教授 (20284903)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
川平 和美 鹿児島大学, 医歯(薬)学総合研究科, 教授 (20117493)
下堂薗 恵 鹿児島大学, 医歯(薬)学総合研究科, 准教授 (30325782)
林 良太 鹿児島大学, 理工学研究科, 准教授 (40288949)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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Keywords | 理学療法学 / 知能ロボット / 感覚行動システム / センシングデバイス・システム / ヒューマンインターフェース |
Research Abstract |
(1)片麻痺下肢の膝屈伸に関して、屈伸する筋の特定、電気刺激による筋収縮の閾値レベルの検討、持続的刺激からの運動促通効果と膝折れ防止などの筋力強化効果の確定を行い、それらの神経学的本質と実質の運動学・力学的効用を探りながら、筋収縮閾値レベル持続的電気刺激方法を確立した。(2)力覚センシング情報から筋力・随意屈伸を補助する制御手法を確立するために、人の膝屈伸する意図を、個人差や服装の環境の違いでも、人に感じない微小な力覚センシングで高感度かつ瞬間的に取得する手法と,その情報に基づいて膝の筋力や随意屈伸を能動的に補助する知的制御方法を理論的に検討し、その制御手法を確立してアームロボットと6軸力覚センサで実証した。(3)歩行の運動学解析を行い、膝の筋力や随意屈伸の能動補助と促通訓練を実現できる装置の駆動機構のメカニズムを確立する。また力学解析を行い、人の動きによる力変化を高感度検知できる力覚センシング機構のメカニズムを確立した。(4)上に確立された駆動機構と力覚センシング機構のメカニズムに基づき、駆動機構の運動と力覚センサのセンシングが互いに干渉にならないように設計に工夫して、下肢装具装着型歩行訓練装置を設計した。(5)さらに、設計した装置の膝関節部分のユニットを試作して、考案した機構のメカニズムと制御方法について、健常者でそれらの有効性を実証した。その結果を平成23年9月の第29回日本ロボット学会学術講演会にて「シンプルかつ高感度なSensor-Motor Mechanismによる膝関節パワーアシストの実現」を題として発表した。また、「膝関節パワーアシスト装置」との発明で,平成23年5月18日に国際特許として出願した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
平成23年度には、特定筋、電気刺激による筋収縮の閾値レベル、持続的電気刺激からの運動促通と筋力強化効果を確定し、装置の運動機構、膝屈伸による微小力変化を高感度検知できる力覚センサ構造、また膝の筋力や屈伸を能動的に補助する制御手法を理論的に検討し、装着便利な装置を設計する、と計画していたが、設計までの進度は予定より早くなったので、膝関節部分のユニットを試作して実証した。
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Strategy for Future Research Activity |
平成24年度には、設計により全ての装置機構の製作を行う。そして、訓練装置により筋力・随意運動を補助する促通手技の運動学・力学的な定量評価ソフトを開発し、その上、訓練課題と検査・評価課題に関するソフト、歩行訓練中の膝屈伸運動機能回復の定量的な評価ソフトも開発する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
(1)下肢装具装着型歩行訓練装置の製作:前年度に確立された装着型歩行訓練装置機構とセンサ機構の設計に基づいて装置を製作し、その上訓練装置の運動学・力学特性をテストする。ここでは製作に高精度の精密加工が不可欠である。そのため、[設備備品費]パソコン、動ひずみ測定器(現有設備)、フォースゲージ(現有設備)、[消耗品費]訓練装置製作・材料費、センサ用アンプ、入出力ボード、モータ、モータドライブ、を予定している。(2)刺激による筋力増強と筋力・屈伸の能動補助に関する運動学・力学的定量評価ソフトの開発:装置の運動覚センサと力覚センサを用いて、特定筋への持続的電気刺激による筋力の増強効果と、装置による膝の筋力と随意屈伸への能動補助効果について、訓練装置の運動学・力学に関する定量評価ソフトを開発する。そして、訓練課題と検査・評価課題のソフトをそれぞれ開発し、膝屈伸運動機能回復の定量評価方法を確立してその評価ソフトを開発する。そのため、[設備備品費]低周波治療器、パソコン、4CH筋電計(現有設備)、[消耗品費]実験用品製作・材料費、を予定している。 平成23年度において、電気刺激による筋力増強性能メカニズムを確かめるときに使っていた低周波治療器は現有の設備であった。平成24年度では、前年度に未使用の研究費で低周波治療器を購入して、開発装置に組み込む計画をしている。
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Research Products
(3 results)