2012 Fiscal Year Research-status Report
片麻痺膝屈伸への促進的電気刺激・筋力補助を用いた下肢装具装着型歩行訓練装置の開発
Project/Area Number |
23500593
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Research Institution | Kagoshima University |
Principal Investigator |
余 永 鹿児島大学, 理工学研究科, 准教授 (20284903)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
川平 和美 鹿児島大学, 医歯(薬)学総合研究科, 教授 (20117493)
下堂薗 恵 鹿児島大学, 医歯(薬)学総合研究科, 准教授 (30325782)
林 良太 鹿児島大学, 理工学研究科, 准教授 (40288949)
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Keywords | 装着型歩行訓練装置機構 / 片麻痺下肢 / 促通反復療法 / 知能ロボティクス / 高感度力覚センサ / パワーアシスト制御 / 伸張反射誘発 / 訓練効果評価 |
Research Abstract |
平成24年度では、次の成果が得られて、下記の新規機構に対して特許出願をしている。 (1)片麻痺患者歩行訓練中に特有な横偏り・転倒防止機構の考案・設計と製作: 片麻痺患者歩行訓練中に麻痺側の無力や行動困難の状態で、体の重心が麻痺側に偏りやすいので、歩行訓練中に麻痺側への横移動や横転倒が特有である。そこで、訓練中の横偏り・転倒防止機構を考案・設計し、歩行訓練装置機構と一体化して製作した。 (2)下肢装具装着型歩行訓練装置の製作: 前年度に確立された装着型歩行訓練装置機構と力覚センシング機構の設計に基づいて、設計した部品を外注で精密加工し、力覚センシング機構を含む装置全体を製作して組み立てた。その上、訓練装置の運動学・力学特性、力覚センシング機構の静力学・動力学特性をテストして、良好な特性を有することが分かった。 (3)刺激による筋力増強と筋力・屈伸の能動補助に関する運動学・力学的定量評価ソフトの開発: 装置の運動覚センサと力覚センサを用いて、特定筋への持続的電気刺激による筋力の増強効果と、装置による膝の筋力と随意屈伸への能動補助効果について、訓練装置の運動学・力学に関する定量評価ソフトを開発した。そして、訓練課題と検査・評価課題のソフトをそれぞれ開発し、関節屈伸運動機能回復の定量評価方法を確立してその評価ソフトを開発して、その効果を片麻痺指や前腕のリハビリ訓練装置で確認した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
平成24年度の研究計画に設定した2つの目標:下肢装具装着型歩行訓練装置の製作と、刺激による筋力増強と筋力・屈伸の能動補助に関する運動学・力学的定量評価ソフトの開発をほぼ達成した。 さらに、平成24年度では研究計画に未設定の、片麻痺患者歩行訓練中に特有な横偏り・転倒防止機構の考案・設計と製作、という目標を設定して達成した。
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Strategy for Future Research Activity |
平成25年度では、次の研究計画に基づいて研究を推進していく。 (1)下肢装具装着型歩行訓練装置の臨床試験による性能評価: 開発した訓練装置の 臨床応用を行いその成績を確認して、筋収縮閾値レベルの持続的電気刺激による随意屈伸への促進効果や、能動的に筋力と随意屈伸を補助する他動介助効果などの機能回復を促進する有効性をハードとソフトの両面で評価検証し、歩行訓練の実施可能性について実証する。 (2)機構部品の軽量化・低慣性化の改良: 開発した訓練装置の動特性をさらに良くするために、一部の部品材料をアルミ合金材料の代わりに樹脂やナイロン材料を用いて、部品の軽量化・低慣性化を行う。これで、モータの制御特性もアップできる。 (3)機能回復訓練システムの改良: 評価実証に明らかになった訓練装置の改善点を検討し、改善を実施し、訓練装置の完成度を高める。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
平成24年度は296,537円の未使用金があり、これは約半分の設計・試作した部品が加工精度の高い鹿児島大学大学院理工学研究科中央実験工場で加工したもので、その費用を別途で支払ったためである。平成25年度にはこの未使用金を機構部品の軽量化・低慣性化改良のための外部加工費として使用する。 平成25年度に予定した研究費について、以下のような使用計画にする。 物品費:訓練装置改善・製作費、200,000円;電気電子部品費、200,000円;実験用品製作・材料費、100,000円。 国内出張費:第31回日本ロボット学会学術講演会にて研究発表と学術交流のため、130,000円;第14回計測自動制御学会システムインテグレーション部門講演会にて研究発表と学術交流のため、120,000円;鹿児島大学病院霧島リハビリテ ーションセンターにて臨床試験研究(1人×10回×@5千円)、50,000円。 人件費・謝金:研究実験データ収集補助(1人×10日×@5千円)、50,000円。 その他:臨床試験装置運搬費(10回×@5千円)、50,000円。
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Research Products
(4 results)