2011 Fiscal Year Research-status Report
脳損傷後の学習能力や運動機能改善と神経栄養因子や神経伝達物質の変化に関する研究
Project/Area Number |
23500594
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Research Institution | Kagoshima University |
Principal Investigator |
大渡 昭彦 鹿児島大学, 医学部, 助教 (30295282)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
池田 聡 鹿児島大学, 医学部・歯学部附属病院, 講師 (00343369)
吉田 輝 鹿児島大学, 医歯(薬)学総合研究科, 助教 (40347109)
川平 和美 鹿児島大学, 医歯(薬)学総合研究科, 教授 (20117493)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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Keywords | マイクロダイアリシス / 神経伝達物質 / 脳の可塑性 / 運動療法 |
Research Abstract |
本研究の目的は、脳損傷後の学習能力や運動機能回復のプロセスに関わる脳内物質を明らかにし、その変化を効果的に促進する最適な運動刺激や薬物治療の開発を目指すものである。我々はこれまでに、トレッドミル運動中や運動前後にマイクロダイアリシス法を使用してモノアミン(NE:ノルエピネフリン、DA:ドーパミン、5-HT:セロトニン)の細胞外濃度変化を測定しきた。また、1週間のトレッドミル運動トレーニング前後の比較も検討を行ってきた。今後は、再吸収阻害薬を投与して行動変化を観察したり、脳梗塞モデルを使用して機能回復と神経伝達物質の関係や、それらが運動させることによりどの様に変化するかを検討する予定である。 脳梗塞の回復過程を検討するには、少なくとも1ヶ月間はモノアミンを測定できる状態を保つ必要がある。しかし、これまでの実験プロトコールでは2週間程度しか状態を保てない。そこで今年度は、この実験プロトコールを再検討することを中心に実験を行った。具体的には、プローブを挿入するためのガイドカニューレを固定する、デンタルセメントの配合量を変えたり、アンカービスの位置や本数を変えたり、飼育ケージにガイドカニューレがあたりにくいように工夫したりと条件を変えてガイドカニューレの状況観察を行った。結果的に3~4週間程度は状況を保てるようになった。その後、トレッドミル以外の運動課題について試みたが、運動の選択や客観的な評価方法など解決しなければならない問題が多く、今後の検討課題である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
脳損傷後の機能回復を検討する目的で、現在はその基礎的な部分を行っている。今後脳梗塞モデルで実験を行う予定にしているが、脳梗塞モデルでは組織液の滲出なども有りデンタルセメントの固定が弱くなり、実験のプロトコールに更なる工夫が必要である。また、ラットの運動機能を客観的に評価する方法は先行研究も少なく、確立できておらず、現在の状況はやや遅れていると考えられる。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、実験のプロトコールを再度確認して、安定したデータ収集を実現する。その後、再吸収阻害薬を投与して行動変化を観察したり、脳梗塞モデルを使用して機能回復と神経伝達物質の関係や、それらが運動させることによりどの様に変化するかを検討する予定である。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
申請書の計画通り、今年度と同様に物品費と旅費を中心に使用する予定である。
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