2011 Fiscal Year Research-status Report
脳卒中患者における心肺機能とリハビリ訓練負荷量について
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23500600
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Research Institution | Ibaraki Prefectural University of Health Science |
Principal Investigator |
白石 英樹 茨城県立医療大学, 保健医療学部, 教授 (50306643)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
堀田 和司 茨城県立医療大学, 保健医療学部, 助教 (00569121)
糸嶺 一郎 茨城県立医療大学, 保健医療学部, 助教 (00338013)
松田 智行 茨城県立医療大学, 保健医療学部, 助教 (10523475)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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Keywords | 心肺機能 |
Research Abstract |
平成23年度は健常者での基礎的研究として,1)作業療法(OT)訓練と理学療法(PT)訓練の心肺機能負担比較,2)同じ負荷量での上肢運動と下肢運動での心肺機能負担比較,について実施した.1)では健常成人7名を対象に,OT訓練(上肢機能訓練での机上サンディング作業5分,輪かけ・移し作業5分,ペグ作業5分,コーンカップ積み上げ作業5分の合計20分)とPT訓練(下肢機能訓練でのトレッドミル歩行5分,立ち座り訓練5分,下肢筋力訓練,ベッド上臀部拳上訓練5分)をそれぞれ実施してもらい,OT・PT訓練での各20分間の心肺機能(呼気ガス分析)測定による比較・分析を行った.その結果,心拍数(HR),換気閾値(VT),換気量(VE),酸素摂取量(VO2),二酸化炭素排出量(VCO2),METS,エネルギー消費量(EE)において,有意な違いが示され,OT訓練において有意に低く,心肺機能への負担が低かった.一方,2)同じ負荷量での上肢運動(上肢エルゴメーター7分)と下肢運動(下肢エルゴメーター7分)における心肺機能への負担比較では,ガス交換比(RER),において上肢運動で有意に高かったが,その他の多くの指標において有意な違いが示されなかった.現時点での1)の結果より,脳血管障害による患者さんへのリハ訓練では,OT訓練(上肢機能を中心とした訓練)の心肺機能への負担は,PT訓練(下肢機能を中心とした訓練)よりも少ないことが示されているものと考えられる.2)の結果からは,同じ負担量では上肢運動の方が心肺機能への負担が高いと考えられていたが,実際には多くの指標で下肢運動と有意な違いが示されず,同負担ならば上肢・下肢運動の心肺機能への負担に違いがない可能性が考えられた.しかし,現時点では,いずれも少人数での結果であり,今後は対象者の増加や脳血管障害患者さんによる調査をしていく予定である.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成23年度は,健常者において二つの研究を実施したが,全体における研究達成は,研究全体の30%程度と考える.研究項目においては,全体で3つの調査項目を予定しているが,平成23年度はそのうちの2項目(OT訓練とPT訓練の心肺機能への負担比較と,同負荷量での上肢運動と下肢運動での心肺機能への負担比較)を健常者で進めることができている.しかし,いずれもまだ少人数であり,年齢層も若年層に偏っていること,また脳血管障害患者さんを対象とした介入調査ができていないなどがある. 理由として,平成23年度前半は測定機器の調整(一部故障)及び試行による指標のチェック等に用い,実質的な調査(対象者への調査)の開始時期が遅くなったことがある.また,脳血管障害患者さんを対象とした測定に先立ち,健常者での測定において実際の負担感や疲労感などの実施方法や危険性の再確認の必要性などにより,今年度は健常成人を対象とした測定・分析が中心となってしまった.
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Strategy for Future Research Activity |
平成24年度は,上記1)2)の研究における対象者の増加及び3)脳血管障害患者さんへの介入・測定を実施していく予定である. 特に3)では,はじめ外来でリハ訓練を実施している患者さんや地域で生活している患者さんを対象に協力をお願いし,上記のOT訓練,PT訓練での心肺機能への負担について測定・分析を行い,その後,可能な範囲で入院患者さんへの協力をお願いし,リハ訓練(OT,PT)実施での心肺機能負担の測定を行うように予定している. また,平成23年度に実施してきた1)2)の研究についても継続して,対象者(人数や年齢層の拡大)をさらに多くして,心肺機能負担について検討する予定である. 比較分析においても対象者の特性を考慮した比較(最大酸素摂取量に対する比率比較)など,分析方法もさらに拡大して行っていく予定である.
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
平成24年度は,呼気ガス分析装置の消耗品としての酸素センサー(1年間の消費期限),サンプルライン(Metalyzer 3BとMetamax3B用ともに1年間の消費期限)などの交換費用(約210,000~235,000円)及び対象者への研究1)~3)への協力謝金費用(約250,000円から350,000円),また,学会等への参加・発表・旅費として(約200,000円)を予定している.また,旅費には,対象者の家庭訪問による調査も含まれている.その他,研究打合せ,資料取り寄せ(文献),諸消耗品(記録メディア,プリンターインク等)など会議・文献・印刷等費用(約40,000円から70,000円)を予定している.
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