2012 Fiscal Year Research-status Report
メタボリック症候群と脳梗塞における運動療法の抗血栓作用と動脈硬化抑制効果の解析
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23500607
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Research Institution | Saitama Medical University |
Principal Investigator |
倉林 均 埼玉医科大学, 医学部, 教授 (70192036)
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Keywords | リハビリテーション / 脳卒中 / 動脈硬化 / メタボリック症候群 / 血小板 |
Research Abstract |
亜急性期または慢性期の脳梗塞患者に対して運動療法を施行し、症例数を増やして引き続き血管内皮機能(トロンボモジュリンTM, エンドセリンEC, フォンウィルブランド因子vWF)の変動、血小板機能(βトロンボグロブリンTG, 血小板第4因子PF-4)の変動、凝固・線溶機能(トロンビンアンチトロンビン複合体TAT, プラスミノーゲンアクチベーターPA, プラスミノーゲンアクチベーターインヒビターPAI-1, プラスミンインヒビタープラスミン複合体PIC, プラスミンインヒビター2PI, アンチトロンビンATIII)の変動、リンパ球機能(MCP-1, MIP-1)の変動、接着分子(P-selectin, VCAM, ECAM)の変化、を測定した。さらに、運動療法施行中の運動機能(motor FIM, Barthel Index, 片麻痺グレード)や臨床病態(MRI, CT)を経時的に評価した。これらの結果を基に、脳梗塞における運動療法と炎症性サイトカイン、凝固・線溶系指標、血管内皮障害などとの関連を解析している。症例数を増やしても運動療法の期間に応じて、線溶機能の亢進、抗凝固活性の増加、炎症性サイトカインの減少などの傾向が認められた。運動療法の量(1日当たりの平均時間数)と凝固・線溶系指標や炎症性サイトカインの値とが相関関係を示しており、運動療法が脳梗塞の二次予防に寄与している可能性が示唆される。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
症例数がまだ少なく、測定項目を若干変更したりしたが、概ね研究計画に沿って順調に実施している。
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Strategy for Future Research Activity |
交付申請書に記載した研究計画に基づいて、上記の測定および評価をさらに継続していく。動脈硬化やインスリン抵抗性などの評価、および動脈硬化に関連するアポトーシスや活性酸素の指標(Fas, Fas ligand, caspase, SODなど)の測定も加えて、運動療法との関連を分析していきたい。研究の最終年度には、全ての研究結果の総合的な解析を行う。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
交付申請書に記載した研究計画に基づいて、引き続き研究費を使用していく。また新たに分析が必要となった動脈硬化に関連するアポトーシスや活性酸素の指標(Fas, Fas ligand, caspase, SODなど)の測定は、前年度までに採取し凍結保存してある血液検体についても行っていく。
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Research Products
(7 results)