2013 Fiscal Year Annual Research Report
片麻痺と運動失調症の三次元書字運動解析-習熟運動と巧緻運動
Project/Area Number |
23500615
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Research Institution | Kyorin University |
Principal Investigator |
岡島 康友 杏林大学, 医学部, 教授 (50160669)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高橋 秀寿 埼玉医科大学, 医学部, 教授 (50206835)
藤澤 祐基 杏林大学, 保健学部, 助教 (50612587)
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Keywords | 運動失調症 / 片麻痺 / 利き手 / 非利き手 / 書字 / 三次元運動解析 / 巧緻性 / 運動学習 |
Research Abstract |
書字運動は習熟巧緻運動の典型であり、麻痺や運動失調などの運動障害あるいは運動学習の研究に適した運動モデルといえる。本研究では脳卒中片麻痺、小脳性運動失調症患者、健常者の左右手の書字運動中のペン先から指、手首に至る3ヶ所を評点として三次元運動解析を行い、その障害の特質を調べた。平成25年度は3年間の本研究の最終年度であり、多くの患者データを集積し、統計解析をもとに以下の成果を得た。 片麻痺は14例で、年齢一致の健常対照14例と比較した。ペンその結果、ペン先と指・手首が異常に連動するのが片麻痺書字に特徴的で、この異常連動は書字速度の低下あるいは書字の形態や動きの拙劣さと有意に相関した。つまり、片麻痺の運動障害の本態は巧緻運動に際しても遠位-近位関節が同等に動いてしまうことにある。 また、小脳性運動失調11例は年齢一致の健常対照17例と比較した。その結果、運動失調症では書字の拙劣さに加えて、ペン先と指・手首の連動が失われるのが特徴的で、その程度は失調の重症度と相関した。つまり、運動失調症の本態は遠位-近位関節の運動の連携性が失われることにある。 錐体路あるいは小脳障害による運動障害を通して、多関節巧緻運動における遠位・近位部の連動性の重要性が示された。連動性の観点で運動障害、運動学習過程を研究することが期待される。
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Research Products
(5 results)