2011 Fiscal Year Research-status Report
脳卒中片麻痺者に対する下肢痙縮抑制足底板の標準化と効果の検証
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23500616
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Research Institution | Kyorin University |
Principal Investigator |
高橋 秀寿 杏林大学, 医学部, 准教授 (50206835)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岡島 康友 杏林大学, 医学部, 教授 (50160669)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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Keywords | 痙縮 / 相反抑制 / 下肢装具 / 表面筋電図 |
Research Abstract |
(目的)脳卒中による麻痺は痙縮を生じ、痙縮は二次的に関節拘縮を惹起する。一方、痙縮の増悪は相反抑制のもと拮抗筋の抑制を増す。すなわち下肢では下腿三頭筋の痙縮が前脛骨筋の麻痺を悪化させることになる。我々は脳性麻痺に用いる足底板型痙縮抑制下肢装具を開発し、歩行のパターンを改善するとともに歩行中の筋活動が低下することを報告した。本研究では脳卒中片麻痺を対象に同装具が同様に下腿三頭筋の痙縮抑制効果を有することを実証する。 (対象)対象は発症後24時間以内に入院し、立位保持が可能で下腿三頭筋に随意収縮が認められる急性期の脳梗塞、脳内出血による片麻痺者7名(年齢47~81歳)を対象とした。また対照群として、年齢、 性別を一致させた5名の健常者を院内から募集した。 (方法)筋電図検査の直前に、関節可動域(特に足関節)、片麻痺の重症度(SIAS-m)、知覚障害(SIAS-s)、痙縮(m-AS)を測定した。相反抑制効果の測定は、内側腓腹筋、外側腓腹筋、ひらめ筋の筋腹中央に記録電極を貼り、腓骨神経刺激は、前脛骨筋の最小収縮を確認し、その刺激強度の1.2倍で刺激した。電気刺激中は、被検者に軽くつま先立ちを指示し、下腿三頭筋の表面筋電を脛骨神経M波振幅の5%程度の出力になるように促し、上記刺激を100回連続刺激して加算し、刺激後約40msec以降に生じる相反抑制効果を計測した。 (結果)健常者の相反抑制は、装具の無し(6.3±0.6μV)と有り(6.3±0.6μV)では、危険率5%で有意差がなかった。一方、脳卒中患者の相反抑制は、装具無し(2.4±1.9μV)と比較して、装具有り(4.2±2.1μV)では、危険率5%で有意差に増加していた。また、痙縮の程度(modified Ashworth scale)が強いほど、相反抑制が小さいことが分かった(p<0.05)。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
健常者の相反抑制は、装具の無しと有りでは、危険率5%で有意差がなかった。一方、脳卒中患者の相反抑制は、装具無しと比較して、装具有りでは、危険率5%で有意差に増加していた。この結果は、研究計画当初の予想通り、痙縮の原因の一つとして、作動筋と拮抗筋の相反抑制の障害が関与していることを証明する結果となった。また、痙縮の程度(modified Ashworth scale)が強いほど、相反抑制が小さくなることが証明されたことで、今回の筋電図による定量的測定方法の妥当性が証明された。
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Strategy for Future Research Activity |
痙縮の評価法として、F波の測定による装具の痙縮抑制効果の解析を行う。研究調査対象は発症後24時間以内に入院し、立位保持が可能で下腿三頭筋に随意収縮が認められる急性期の脳梗塞、脳内出血による痙性片麻痺者10名を対象とする。また対照群として、年齢、 性別を一致させた10名の健常者を院内から募集する。調査方法は本研究に対する同意の得られた被検者に対して、筋電図検査の直前に、関節可動域(特に足関節)、片麻痺の重症度(SIAS-m)、知覚障害(SIAS-s)、痙縮(m-AS)を測定する。F波の測定方法は、被検者の脛骨神経を膝部で20回最大上刺激し、下腿三頭筋の表面電極で誘発電位を測定する。そして、直接刺激による誘発電位として"M波"を記録する。また、その刺激が中枢方向に伝播し、脊髄前角の運動ニューロンに達し、その刺激は正常では運動ニューロンの1%を興奮させ、これが下腿三頭筋に伝わる。これが"F波"である。得られた波形について、脛骨神経F波の平均振幅をM波振幅の比率で表して定量化する。この測定法を用いて、今回開発した装具の使用の有無で、痙縮抑制効果を比較検討する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
研究助手に対する人件費および電極などの消耗品、さらに研究成果の発表のための旅費に用いる予定である。
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Research Products
(2 results)