2011 Fiscal Year Research-status Report
非流暢性失語症における言語賦活領域に対する経頭蓋直流電気刺激の効果
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23500619
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
藤原 俊之 慶應義塾大学, 医学部, 講師 (50276375)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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Keywords | リハビリテーション |
Research Abstract |
脳卒中による慢性期非流暢性失語症における機能的言語課題賦活領域に対する経頭蓋直流電気刺激の効果を検討する為に、1)呼称課題における脳活動をNIRSおよびEEGにより計測、2)同定された賦活部位に対して、ナビゲーションシステムを利用したTMSを施行し、呼称課題反応時間の遅れを測定することにより、同部位の言語機能回復への役割を検討することを目的とする。当該年度においてはまず実験(1)NIRS-EEGシステムによる言語課題賦活部位の同定に関して、コンピュータ画面上に表示された絵に対しての呼称課題(Picture-word matching test)施行時における脳血流ならびに脳波の変化をNIRS-EEGシステムにより評価する評価方法を確立。脳血流測定部位ならびに脳波測定における関心領域の設定を確立した。マルチトリガーシステムを用いた、音声表出反応時間の評価法を確立した。また確立された課題表示からの音声表出反応時間計測方法を用いて、健常人におけるコントロール値の計測を開始した。また、実験(2)TMSによる機能的賦活部位の同定に関しては、マルチトリガーシステムによる、画像表示をトリガーとして画像提示から100ms後に経頭蓋磁気刺激を施行し、音声反応時間の測定を施行し、その反応時間の変化を測定する手法を確立した。またナビゲーションシステムを用いるためのMRI画像設定条件を検討し、T1画像でのaxial画像を用い、1mm刻みでの画像条件を決定し、標的とする前頭前野、下前頭回の同定方法を確立した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度は予算の執行に遅れを生じたが、機器の整備は順調に進み、評価手法が確立された。倫理審査も申請中であり、来年度より、症例を集めての研究への速やかな移行が可能となった。よって研究計画はおおむね順調に進んでいると考えられる
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Strategy for Future Research Activity |
研究機器、研究体制、評価方法、手技が確立され、次年度からは、症例を順次募集し、症例数を増やしていく予定であり、予定どおり慢性期脳卒中患者におけるtDCSによる治療的介入効果の検討を行っていく予定である
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
研究機器は整備されたため、次年度では主に研究費は研究消耗品および学会発表のための旅費を中心に使用する予定である。
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