2013 Fiscal Year Annual Research Report
非流暢性失語症における言語賦活領域に対する経頭蓋直流電気刺激の効果
Project/Area Number |
23500619
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
藤原 俊之 慶應義塾大学, 医学部, 講師 (50276375)
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Keywords | 失語症 / 脳卒中 / リハビリテーション / 非侵襲的脳刺激 |
Research Abstract |
脳卒中による慢性期非流暢性失語症における機能的言語課題賦活領域に対する経頭蓋直流電気刺激の効果を検討する為に、1)呼称課題における脳活動をNIRSおよびEEGにより計測、2)同定された賦活部位に対して、ナビゲーションシステムを利用したTMSを施行し、呼称課題反応時間の遅れを測定することにより、同部位の言語機能回復への役割を検討し、同部位の経頭蓋直流電気刺激と言語訓練の組合せによる呼称課題反応時間の変化を検討することを目的とする。 脳卒中患者において、呼称課題時に賦活される脳領域を同定し、同部位への経頭蓋直流電気刺激を行い、経頭蓋直流電気刺激後に呼称課題の変化を検討。障害半球下前頭回へのanodal tDCSへの刺激で反応時間が短縮する例と、逆に非損傷半球へのanodal tDCSにより呼称反応時間が短縮する例を認めた。それぞれ、呼称反応時間を短縮させる刺激条件を用い、7日間の経頭蓋直流電気刺激と言語訓練を行うことにより、呼称反応時間の短縮、ならびに呼称課題テストの正答率の改善を認めた。 本研究により、失語症における非侵襲的脳刺激治療においては患者ごとにその賦活部位を同定し、ナビゲーションシステムを用いて正確に刺激を行うことの重要性が示された。よって、脳卒中後の失語症治療における非侵襲的脳刺激治療においては、一律にある特定の部位を賦活する方法ではなく、患者個人における言語機能回復に関わる部位を同定し、その部位を効果的に賦活する「オーダーメード」の治療が必要であると考えられる。
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