2011 Fiscal Year Research-status Report
関節不動化によって生じる筋性疼痛のメカニズムの解析と疼痛発生の予防
Project/Area Number |
23500624
|
Research Institution | Nagoya Gakuin University |
Principal Investigator |
肥田 朋子 名古屋学院大学, リハビリテーション学部, 准教授 (20223050)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
水村 和枝 中部大学, 生命健康科学部, 教授 (00109349)
西上 智彦 甲南女子大学, 看護リハビリテーション学部, 准教授 (60515691)
|
Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2014-03-31
|
Keywords | 不動化モデルラット / 筋性疼痛 / ランダルセリットテスト / フォンフライテスト / CGRP |
Research Abstract |
関節不動化によって生じてくる痛みに関して、皮膚だけではなく、筋においても生じている可能性があると考え、筋性疼痛の発生確認、メカニズム検討、および理学療法による疼痛発生予防・軽減を明らかにすることを目的に本研究を計画した。当該年度は、予定通りギプス固定ラットを作成し、皮膚および筋における疼痛発生状況に関して、行動学的に検討した。その結果、今回の実験では皮膚性疼痛、筋性疼痛ともに1週目から発生することが確認できた。また関節の可動域制限も1週目以降に認められ、皮膚や筋における疼痛発生に可動域制限状況下の生体の変化が影響している可能性が疑われたが、原因はまだ明らかにできておらず、次年度以降の検討課題である。これら疼痛発生に関連する神経伝達物質として、サブスタンスP(SP)やカルシトニン遺伝子関連ペプチド(CGRP)の可能性を後根神経節細胞の組織学的な解析から検討してきている。現時点でSPに関しては、小型細胞にのみ認められ、その発生割合にモデル動物とコントロール動物で差が認められず、不動化による痛み発生にSPが関与している可能性は低いと考えている。一方、CGRPに関しては、中型細胞で発現割合が増加している傾向があり、引き続き検討していく必要がある。 一方、虚血状態の評価に関しては、サーモグラフィーの導入を試みたが、測定に再現性が認められず、継続検討課題である。皮膚温を測定することや筋の取り出し標本から組織学的な検討も試みたいと考えている。 また、筋細胞におけるRT-PCRによるmRNAの解析では、NGFの可能性を探ったが、十分な結果が得られず、更なる検討が必要である。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
モデル動物の行動学的評価に関しては非常に順調に進展しているが、免疫組織化学的な評価やその他の評価に関しては、予想に反して十分に明らかな結果が得られていない状況であり、さらに検討しながら進めている状況である。
|
Strategy for Future Research Activity |
行動学的検討で明らかとなった筋性疼痛と関連が考えられる神経科学物質に関しての関与を組織学的解析や遺伝子発現解析で順次検討していく。また、虚血状態評価の方法を引き続き検討していく。
|
Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
モデル動物を作成し、神経および筋の組織学的な解析ならびに遺伝子発現の解析を行っていく。また、具体的な理学療法の検討を開始し、それによる疼痛発生の予防・軽減の効果を探っていく。
|
Research Products
(9 results)