2012 Fiscal Year Research-status Report
関節不動化によって生じる筋性疼痛のメカニズムの解析と疼痛発生の予防
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23500624
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Research Institution | Nagoya Gakuin University |
Principal Investigator |
肥田 朋子 名古屋学院大学, リハビリテーション学部, 教授 (20223050)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
水村 和枝 中部大学, 生命健康科学部, 教授 (00109349)
西上 智彦 甲南女子大学, 看護リハビリテーション学部, 准教授 (60515691)
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Keywords | 筋性疼痛 / 運動 / CGRP / NGF |
Research Abstract |
ギプス固定によって生じる疼痛発生に、後根神経節細胞におけるサブスタンスPとCGRPの発現が影響しているかについて免疫組織化学的解析を行った。その結果、いずれもギプスを固定した場合において発現割合が増加する傾向が認められたが、はっきりしなかった。そのため、さらに例数を増やして検討していく必要がある。 また今年度は、関節不動化によって生じてくる疼痛に対して自由運動の効果を行動学的に確認した。その結果、週5回、1回15分の自由運動をさせた場合は自由運動させない場合に比べ、不動4週後の筋圧痛閾値において閾値低下がある程度抑制でき、疼痛の発生をある程度抑制できた。しかし、皮膚痛覚閾値に対しての影響は十分ではなかった。神経損傷モデルにおける疼痛発生に対する運動の効果は16m/minのトレッドミル走行で認められており、引き続き運動強度は検討する必要があると思われる。 昨年度筋細胞におけるNGFの発現についてmRNA解析から検討したが、十分ではなかった。今年度はNGFの影響についてELISA法で検討を行った。その結果、深層筋と表層筋でその影響が異なる可能性が考えられ、現在追加実験にて確認しているところである。 虚血状態の評価については、温度計を用いた測定を試みたが、麻酔による影響を除去できず、さらなる検討が必要である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
免疫組織化学的な評価に関して、十分な結果が得られておらず追加実験を余儀なくされており、また解析にも時間がかかっている状態である。疼痛発生抑制のための運動の効果を示しつつ、その関連物質の特定を急ぎたいところである。 また虚血状態の評価について検討しているものの良案なく、さらなる検討が必要である。 以上のことにより当初予定では今年度は物理療法の効果について検討していく予定であったが、その予定まで進めていない。次年度に向け研究を推進して行きたい。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は運動による効果の継続検討に加え、温熱による効果についても検討していく予定である。まずは行動学的評価を進めていく。温熱の方法は温水もしくはホットパックを考えている。まず温熱療法の手段として、今年度の成果を踏まえ自由運動を温水内で実施することによる効果を検討していく。可能であれば更にホットパックのような温熱刺激のみを負荷した場合の疼痛発生の抑制効果を調べていく。虚血状態の評価が十分ではないが、深部温の測定を検討し、その中で温熱の影響を評価していくことを試みる。 さらに組織学的な解析を進め、疼痛抑制に影響している物質の特定を行う予定である。 筋性疼痛発生とそれに対する理学療法効果については行動学的解析での成果をまとめつつ、それを支持する組織学的、生化学的な解析の成果を出して行きたいと考えている。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
今年度研究費の一部を繰り越したが、当初の実験予定より免疫組織化学染色による抗体の染まりが不十分であり、良好に染まる染色の条件の設定にてまどい、次に染色する予定であった抗体を購入しなかったことによるものである。免疫染色は購入してすぐに染める方が高い染色性を得ることができるとされており、実験を行う直前に購入したいため次年度に繰り越しした。次年度においても抗体を購入する資金とする。
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Research Products
(12 results)