2011 Fiscal Year Research-status Report
運動軌道再現性を用いた片麻痺者の歩行再学習過程評価手法の開発
Project/Area Number |
23500625
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Research Institution | Fujita Health University |
Principal Investigator |
寺西 利生 藤田保健衛生大学, 医療科学部, 教授 (90387671)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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Keywords | 歩行分析 / 片麻痺 / トレッドミル歩行 |
Research Abstract |
当該年度は、研究データの取得が主な目的であった。 本研究の目的は、トレッドミル歩行分析法の特徴である歩行運動が同一空間内で反復運動化されることを利用し、運動軌道の再現性を定量化することで、脳卒中後片麻痺患者の運動習熟過程を軌道再現性の向上によって評価する手法を確立することである。 本年度は、対象を七栗サナトリウム回復期リハビリテーション病棟106 床に入院中の一側性テント上大脳病変を有する脳卒中片麻痺患者(重篤な併存症および意識障害・高次脳機能障害を有するものは除外)を対象とし、トレッドミル歩行が可能になった時点から2週に1回、3次元動作解析装置(KinemaTracerキッセイコムテック社製)を用いてトレッドミル歩行分析を行い、身体上に配置された10点のランドマーク(両側の肩峰、大転子、大腿骨外果、腓骨外厦、第五中足骨頭)の多数歩3 次元位置情報を取得し、歩行周期毎に正規化(時間軸正規化)した後、それぞれのランドマーク位置の変動(動作の再現性または安定性)を評価し、動作学習による再現性の向上過程を観察することであった。 本年度に取得できたデータは、左片麻痺5例、右片麻痺3例の合計8例であった。対象となった8例では、平地歩行時、全ての対象で速度、介助量などの歩行機能は経過の中で改善しており、動作学習による再現性の向上過程を観察する対象としては適切な3次元位置情報の経時データが取得できたと考えている。現在、継続してデータ計測による収集およびデータの詳細は解析を進めているが、データにばらつきが大きく、まだ、一定の明らかな傾向は見いだされていない。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
本研究のデータ取得を行っている病棟(回復期リハビリテーション病棟入院料1を算定)の入院患者の質が、保険制度の変更に伴い変化し、重度の障害を有した患者が多くなっている。そのため、本研究の対象となるトレッドミル上での歩行可能患者が減少傾向にある。また、研究代表者の所属部署の変更に伴い本研究に利用できる時間が減少しており、時宜にかなった計測ができない場合も発生してきている。上記によりデータの取得および解析が予定より遅れている。
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Strategy for Future Research Activity |
継続して、データの取得・解析を進める。また、過去にデータ取得した片麻痺患者トレッドミル歩行時の経時的3次元位置情報で本研究の対象となる物がないか検討する。さらに、他施設でデータの取得ができないかについても検討し、データ数の増加に努める。 十分なデータ数が集まれば、歩行補助具(四脚杖、T字杖)や装具(Knee Ankle Foot Orthosis、Ankle Foot Orthosis)、介助量、歩行様式(常時2点歩行、2点1点歩行)、最終歩行帰結による層別化を行い、詳細に検討する予定である。 次年度には、結果の中間発表を行う予定であるため、解析されたデータをまとめ、学会に報告する予定である。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
次年度は、データ記録およびバックアップ用のハードディスク、統計学的な処理ソフト、発表に向けてのプレゼンテーションソフト、出張旅費を申請する予定である。
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