2012 Fiscal Year Research-status Report
運動軌道再現性を用いた片麻痺者の歩行再学習過程評価手法の開発
Project/Area Number |
23500625
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Research Institution | Fujita Health University |
Principal Investigator |
寺西 利生 藤田保健衛生大学, 医療科学部, 教授 (90387671)
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Keywords | 歩行分析 / 片麻痺 / トレッドミル歩行 |
Research Abstract |
本研究の目的は、トレッドミル歩行分析法の特徴である歩行運動が同一空間内で反復運動化されることを利用し、運動軌道の再現性を定量化することで、脳卒中片麻痺患者の運動習熟課程を軌道再現性の向上によって評価する手法を確立することである。 本年度は、昨年度に引き続き、七栗サナトリウム回復期リハビリテーション病棟106床に入院中の一側性テント上大脳病変を有する脳卒中片麻痺患者(重篤な併存症および意識障害・高次脳機能障害を有するものは除外)を対象とし、トレッドミル歩行が可能になった時点から2週に1回、3次元動作解析装置(KinemaTracerキッセイコムテック社製)を用いてトレッドミル歩行分析を行い、身体上に配置された10点のランドマーク(両側の肩峰、大転子、大腿骨外顆、腓骨外果、第五中足骨頭)の多数歩3次元位置情報を取得し、歩行周期毎に正規化(時間軸の正規化)した後、それぞれのランドマークの位置の変動(動作の再現性または安定性)を評価し、動作学習による再現性の向上課程を観察することであった。 当該年度は、昨年度から引き続きデータの取得と解析を進めることが主な目的であった。症例の取得は、予想以上に困難になっているが、現在進行中の症例も含め7例増加した。 対象の解析は、現在進行中である。集まった対象症例は歩行速度・介助量等が経過中に改善しており、動作学習過程を検討するには適当な症例が集まっていると言える。現在のところ解析によって軌道再現性の向上する例も見られるが、明らかな一定の傾向は見いだされていない。今後、対象を増やし検討を継続して行く予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
研究者の所属変更により、データ取得および解析に費やせる時間が限られた。また、昨今の社会情勢により、365日稼働の回復期リハビリテーション病棟の入院患者の障害が重度化しており、それに伴いトレッドミル歩行可能な症例の頻度が低下している。このため、予想より、症例の歩行データを集めにくい状況になっている。
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Strategy for Future Research Activity |
継続してデータの取得・解析を続ける。また、新任地は急性期病院であるが、可能な限り経時データを取得し、解析に加える。また、七栗サナトリウムにおけるデータ取得も継続して積極的に行う。更に過去のデータで対象と合致する片麻痺患者の経時データを探し解析に加える。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
次年度は、最終報告に向けて、計測データをまとめ論文化を進める予定である。遅れているデータ取得も継続して行う。研究費の使用は、プレゼンテーション作成用のソフトウエアの購入、記録用紙の購入、学会発表用の旅費に使用する予定である。
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