2011 Fiscal Year Research-status Report
高次脳機能障害への効果的入院リハビリテーションの確立
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23500626
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Research Institution | Fujita Health University |
Principal Investigator |
園田 茂 藤田保健衛生大学, 医学部, 教授 (10197022)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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Keywords | 高次脳機能障害 / 認知リハビリテーション |
Research Abstract |
これまでの高次脳機能障害研究は慢性期における一例報告のパターンが多く、高次脳機能障害に対するリハビリテーションのエビデンスは少ない。今回、入院中でも退院後でも使える評価法を作成し、高次脳機能障害患者を層別化した上で治療法比較を行うこととし、平成23年度は評価法の作成、訓練内容の予備検討を行った。 (1) 高次脳機能障害評価法COPE回復期リハビリテーション病棟入院中から退院後まで、どの時期にも一貫して採点できる高次脳機能障害評価法COPE (Cognition-oriented performance evaluation)を高次脳機能障害治療経験の多い医師、療法士、ケースワーカーのチームで作成した。記憶、注意、意欲、感情、共感、遂行の大項目のもとに、入院中の生活環境でも回答可能で、かつ退院後の家庭・社会生活においても回答可能な具体的項目を設定し、回答はyes/noとした。実際の高次脳機能障害患者での採点経験も加え、チーム会議でコンセンサスが得られるまで項目質問内容を煮詰めて結果的に96項目となった。(2) 高次脳機能障害患者の層別化とそれに対応する訓練方法の検討2004年から2009年の間に当院回復期病棟に入院し,当院データベースで高次脳機能障害がチェックされた84名の患者(平均年齢47.5歳、発症後期間平均38日)を対象とし、カルテを後方視的にチェックした。訓練内容をグループ化し、7日間以上続いたものを集計した。外傷性脳損傷が54.8%と最多であった。注意障害、記憶障害が90%以上でみられ、次いで遂行機能障害,社会的行動障害の順となった。計算課題等のドリル、日課や見当識を尋ねる訓練、メモリーノートの使用法定着訓練が多数を占めた。年齢が高くなるにつれて記憶の訓練が増した。入院時FIM認知項目の低い群では記憶訓練が主体となり、高い群では訓練が継続されていなかった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成23年度に評価法を作成し、今後行われるRandomized control studyに使う訓練を組み立てるための調査を行い、それを受けて平成24年度に高次脳機能障害に対するRandomized control studyを行う予定を立てていた。評価法はCOPEと名付けられ、項目を絞るところまで来た。今後、項目数が減ることはあっても項目変更とはならないと考えられるため、概ね評価法作成課題は達成できたと考える。訓練法調査も行われ、そこから平成24年度に使う課題選択も行いつつあるため、こちらも予定通り進んでいると判断した。
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Strategy for Future Research Activity |
当初予定通り、Randomized control studyに用いる訓練方法を決めて、比較研究に入る。用いる評価セットや、訓練機器は平成23年度のうちにある程度準備されているので開始に支障は無い。使用評価法の周知、エントリーして貰う患者を募る等、藤田保健衛生大学七栗サナトリウムの教職員に協力を依頼する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
患者数の増加やニーズの変化に合わせて、検査用紙、ゲーム機、ゲーム機用ソフト、データ処理・統計処理等に使用するパソコンなどを購入していく予定である。
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