2013 Fiscal Year Annual Research Report
高次脳機能障害への効果的入院リハビリテーションの確立
Project/Area Number |
23500626
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Research Institution | Fujita Health University |
Principal Investigator |
園田 茂 藤田保健衛生大学, 医学部, 教授 (10197022)
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Keywords | リハビリテーション / 高次脳機能障害 / Rasch分析 / 評価法 |
Research Abstract |
リハビリテーションのエビデンスが少ないこれまでの高次脳機能障害研究に対し、入院中でも退院後でも使える評価法COPEを作成し、治療法比較を行った。 (1) 高次脳機能障害評価法COPEのbrush up 平成24年度に89項目に絞ったCOPE (Cognition-oriented performance evaluation)を95名の患者(頭部外傷32、脳血管障害49、低酸素脳症9、脳炎5)で採点し、大項目ごとにRasch分析を行い、難易度の近い複数項目を整理・削除し、21項目の短縮版COPE(S-COPE)を作成した。このS-COPEの各大項目点と、それに近いWAIS、WMS-RやFIMの項目点との相関を32名で算出した。相関係数はS-COPE注意とWMS-R:0.71、S-COPE記憶とWMS-R視覚性記憶:0.60、S-COPE感情とFIM社会的交流:0.42、S-COPE共感とFIM問題解決:0.74、S-COPE遂行機能とFIM問題解決:0.48、S-COPE意欲とFIM問題解決:0.41であり、S-COPEの妥当性が示された。 (2) 高次脳機能障害患者に対するrandomized control study 高次脳機能障害を主障害とする患者をランダムにゲーム群とドリル群の2群に分けた。ゲーム群はゲーム機Weeを用いた本人の好むゲームを行うこととし、ドリル群では机上ドリル課題を行うこととした。課題実行時間は1日40分で、2週間行った。入院から1週目と4週目にWIAS-II、WMS-R、我々の開発したS-COPEを評価した。ドロップアウトを除いて8例ずつが終了し、群間比較を行った。有意差(p<0.05)が得られたのは、WMS-Rの遅延再生(4週時73.3 vs 59.9、利得12.3 vs 3.4)とS-COPEの遂行機能(4週時2.5 vs 1.75)のみであった。また、訓練の楽しさの有無でも2群に分け(あり7、なし9)、群間比較を行った。WMS-Rの言語性記憶4週時(87.1 vs 66.3)、WAIS-IIIのVIQ利得(14.0 vs 4.4)、PIQ利得(17.1 vs 2.8)、FIQ利得(18.1 vs 7.4)で有意差が認められた。 S-COPEを用いて高次脳機能障害へのリハビリテーションのエビデンスを示せる可能性が示唆された。
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Research Products
(2 results)
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[Presentation] 高次脳機能障害を呈した橋出血患者のリハビリテーションの経験
Author(s)
角田哲也, 前島伸一郎, 尾関保則, 藤井 航, 岡本さやか, 水野志保, 前田寛文, 浅野直樹, 松尾 宏, 上野芳也, 渡邉 誠, 永井亜矢子, 園田 茂
Organizer
第34回 日本リハビリテーション医学会中部・東海地方会
Place of Presentation
愛知県名古屋市
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