2013 Fiscal Year Research-status Report
バルーン内圧測定装置を用いた嚥下圧測定法の開発と嚥下障害治療への応用
Project/Area Number |
23500627
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Research Institution | International University of Health and Welfare |
Principal Investigator |
太田 喜久夫 国際医療福祉大学, 大学病院, 教授 (00246034)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田辺 茂雄 藤田保健衛生大学, 医療衛生学部, 准教授 (50398632)
加賀谷 斉 藤田保健衛生大学, 医学部, 准教授 (40282181)
才藤 栄一 藤田保健衛生大学, 医学部, 教授 (50162186)
岡田 澄子 藤田保健衛生大学, 医療衛生学部, 准教授 (10387673)
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Keywords | 嚥下圧 / リハビリテーション / 嚥下障害 |
Research Abstract |
平成25年度は、バルーン型嚥下圧測定装置において嚥下時にバルーンに加わる食道方向への牽引力について調査した。 開発した測定機器は、 直腸圧測定用バルーンカテーテル(RPC-9P)の連結管に張力計を設置し、咽頭(喉頭蓋谷部)に留置したバルーンが嚥下時に食道方向へ駆出されるときに生じる連結管の張力を計測した。バルーンの位置は、事前にX−線透視下で確認し、挿入する長さを決定した。またRPC-9PにJMS型舌圧測定器を設置し、バルーン内圧を連続測定した。検査に同意した健常者3名を対象に、バルーンセンサーを咽頭(喉頭蓋谷部)に留置し、2%トロミ駅3mlを嚥下させ、その時に生じる食道方向への張力を測定した。結果 1)嚥下時連結管張力はRPC-9P(バルーン内注入air量5ml)では1.49±0.23(1.1~1.9)Nであった。2)連結管張力とバルーン内圧との関係:RPC-9Pでの喉頭蓋谷における嚥下時バルーン内圧は9~13kPasで、連結管張力と相関がみられた(R2=0.65)。結語:バルーン型嚥下圧測定装置の連結管に張力計を設置することによって嚥下時連結管張力の測定が可能であり、咽頭収縮力の評価に有用となる可能性が示唆された。この成果は、第7回日本ニューロリハビリテーション学会で発表した。 また、開発したバルーン型嚥下圧装置を用いて臨床研究「バルーン型嚥下圧測定装置を用いた咽頭運動機能訓練の効果の検討」を倫理委員会に申請し、平成26年1月31日に許可され臨床研究(13-B-39)を開始している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
バルーン型嚥下圧測定装置は平成25年度に完成した。しかし、研究代表者が平成25年10月に転勤したため、臨床研究をすすめることが遅れた。またバルーン内圧だけでなく食塊に加わる食道方向への駆出力も測定する必要性が出てきたため、その研究を実施し、平成26年2月にその成果を日本ニューロリハビリテーション学会に発表した。 転勤先の国際医療福祉大学病院で嚥下障害者治療への応用を目的に、「バルーン型嚥下圧測定装置を用いた咽頭運動機能訓練の効果の検討」を実施する必要があり、12月に倫理委員会に申請し、平成26年1月31日に認可されたため、臨床研究を開始している。
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Strategy for Future Research Activity |
平成26年1月31日に倫理委員会で許可された臨床研究(13-B-39)「バルーン型嚥下圧測定装置を用いた咽頭運動機能訓練の効果の検討」は、平成26年3月1日から開始している。健常者10名および嚥下障害者20名を対象とした前向き介入研究である。嚥下造影検査を実施する患者は、現在毎月10名前後であり、そのなかで適応となる患者は2名程度みえるため、平成26年度には目的とする嚥下障害患者20名に対して介入研究を達成できると考える。 この臨床研究を終えることによって、課題番号23500627「バルーン内圧測定装置を用いた嚥下圧測定法の開発と嚥下障害者治療への応用」を完遂できる予定である。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
代表研究者の転勤によって、バルーン内圧測定装置を用いた嚥下障害治療の応用を目的とした臨床研究の実施が次年度に延期された。この臨床研究を実施するうえで必要な研究消耗品の購入と研究成果の発表をするために研究費の次年度使用額が生じた。 バルーン内圧測定装置を用いた嚥下障害治療の応用を目的とした臨床研究を実施するうえで必要なウロダイナミックカテーテル(アムコL00-0800 RPC-9 直腸圧測定カテーテル)10本入り4箱28,000円×3=84,000円および日本ニューロリハビリテーション学会での研究成果発表のための旅費として52,640円を予定している。
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