2011 Fiscal Year Research-status Report
慢性心不全症例に対する運動負荷三次元心エコー図検査による評価の有用性
Project/Area Number |
23500632
|
Research Institution | University of Occupational and Environmental Health, Japan |
Principal Investigator |
芳谷 英俊 産業医科大学, 医学部, 助教 (30351894)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
尾辻 豊 産業医科大学, 医学部, 教授 (30264427)
竹内 正明 産業医科大学, 医学部, 准教授 (30236434)
|
Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2014-03-31
|
Keywords | 慢性心不全 / 心臓リハビリテーション / 三次元心エコー図検査 |
Research Abstract |
急性心不全で治療を受けた症例や慢性心不全で加療をおこなっている症例に対して十分な心不全治療をおこなっているにもかかわらずコントロール不良である場合にも運動療法により呼吸機能の向上や末梢血流の改善による運動耐容能の向上が期待される。そういった心不全症例に対する運動療法のメニューを作成する場合は、軽労作などによる心拍数の上昇の程度や呼気ガス分析などによる最大酸素摂取量など参考にするが、実際の運動時の前負荷・後負荷に対する心臓の反応を評価するのは心エコー図検査が一番適している。このことから、本研究の目的は慢性心不全症例を対象に運動負荷三次元心エコー図検査および呼気ガス分析をおこない運動耐容能との関連性を分析し、その結果を心臓リハビリテーションに活かすことが目的である。従来より心臓リハビリテーションは、運動時の心拍数や血圧、可能な症例では呼気ガス分析をおこなったデータなどより推定した運動耐容能を参考に運動量の調節をおこなってきたが、そういった呼気ガス分析結果と心エコー図検査結果との関連についてはあまりよくわかっていない。これより低心機能に伴う心不全症例を対象に運度負荷心エコー図検査を行い、その結果と呼気ガス分析結果より心臓リハビリテーションのメニュー作成の参考になるのであれば臨床においても意義があると思われる。本年度はその研究を行うにあたり環境整備と対象患者のリクルートに専念し、運動負荷心エコー図検査と呼気ガス分析結果がどの程度関連性があるか調査することとしていた。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
当院で当該年度に運動負荷心エコー図検査をおこなった症例数は60例であり、うち弁膜症が30例、慢性心不全に対して6例であった。しかしこのうち弁膜症症例は外科的治療、慢性心不全症例に対しては心臓再同期療法や順応性自動制御換気療法(ASV)を導入されている。これらの治療は慢性心不全に対して有効であると報告されており積極的に導入されているのが現状である。これらの治療の介入により心機能や呼気ガス分析結果に影響を及ぼすことが推測されるため本研究のエントリーができていないのが現状である。他にも心不全の原因として弁膜症・冠動脈疾患を有している患者はその治療を行っているため対象から外している。また心不全のみの治療としても心臓再同期療法や順応性自動制御換気療法といった治療法がまず導入されるために症例のエントリーがなかなかできていない。これらの治療介入がすでに有効であるという報告があるために、こういった治療と並行しておこなった場合にリハビリテーションの効果かそれ以外の治療の効果か明確にならないからである。
|
Strategy for Future Research Activity |
当院での心不全症例のみでは症例数に限界があるため、関連施設にも協力を依頼し対象となるような症例で、他の治療がすでにされている、あるいは治療適応外の症例を積極的にエントリーする方向で検討している。
|
Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
心不全症例のエントリー見逃しを防ぐためにデータベースの作成、エコーデータのファイリング、エコー解析のためのソフトやPCの購入、呼気ガス分析の際に必要な用具の購入、情報収集を目的とした学会参加のための経費など。
|